【マネジメント】他人のせいにする人の本音
部下からミスの報告があった。
聞いてみるとどうも要領を得ない。
言い訳から入ったり、同僚の責任にもしたり。
そんなとき、あなたはどう対応していますか?
「言い訳するな!」
「他人のせいにしたって仕方ないだろ」
こんな言葉を投げ掛けると思います。
では、なぜ『部下はミスを他人のせいにするのか?』考えたことがありますか?
一度立ち止まって考えてみましょう。
部下の本音は自己防衛
端的に言えば、言い訳・責任転嫁は『自己防衛』です。
「自分はやることをやった。環境や周囲が悪い」
自分の責任を可能な限り回避しようとします。
このときの本心は『僕・私を怒らないで!』です。
好んで怒られる人はいません。
子どもだって自分は悪くないと主張します。
心のなかでは自分が悪いと思ってるのに。
悪いと思っているのに責任転嫁するのはなぜでしょうか?
原因はあなたです。
あなたとの信頼関係が出来ていないから、怒られる・叱られるときに萎縮し責任転嫁をするのです。
だからと言って甘やかす、というのは安直です。
そうじゃないと肝心なときに舐められます。
ミスをしたときに報告する勇気
あなたの頭の中から離れない困らせ者の部下はいらっしゃいますか?
その方は何歳の方ですか?
思い浮かべましたか?
では、その方と同じ年齢だった頃の自分を思い出してください。
あの頃あなたはどこで何の仕事をしていましたか?
少なからず人間関係の悩みをお持ちだったかと思います。
・上司が現場の話を分からない人間だ
・同僚の仕事が遅くて品質も悪い...
・後輩に教育をしても、何回も同じミスを繰り返す
苦労してきたシーンも多かったとお察しします。
必死に毎日仕事をこなし多くの人を動かし、会社を引っ張ってきた実績も少なくないでしょう。
しかし、そんな優秀なあなたにもミスはあります。
自身がミスをしたとき、上司へ正直に報告する勇気はありましたか?
後輩のミスをかばう話ではありません。
あなた自身が起こしたミスの報告です。
少なからず明るい気持ちで報告したことは無いでしょう。
「何を言われるか分からない」
「せめて機嫌が良い日であってくれ」
そんな神頼みも持ちながら報告へ行っていたと思います。
残念ながら、当時のあなたと上司にも信頼関係が足りなかったことが原因です。
きっとあなたは
「逃げたときのほうがやっかいになる」
ことを知っているので、大きな勇気を持って上司に立ち向かっていたことでしょう。
しかし、『正直に報告するほうが後ろ楯になってくれる』と気持ちがあれば素直に報告できたかもしれません。
「仕事なんだから」は通用しない
一定から上の世代(私も片足入ります)は、仕事は人生の第一優先事項にあります。
時代を作る重要な世代であり、踏ん張ることで会社の行く末を左右する大きな責任。
心労は尽きなかったことでしょう。
しかし、時代は変わりました。
出世欲のある若手が減り、婚姻数が減り、子どもが減っています。
私たちが平社員で踏ん張っていた頃は
「出世して年収1,000万」
「家族・マイホームを持ったら一人前」
こんなことを先輩たちから聞かされたものです。
ですが、残念ながら現代ではまったく響きません。
・出世したくない
・自分の時間が減るから結婚したくない
・家も車も必要ない
現代の若者は『身軽でいたい』のです。
プライベート優先で仕事は手段。
休みはしっかり休み。
残業なんてしない!
そんな世代とあーたこーだ戦っても無駄です。
なぜなら、文化が違う人たちだから。
イタリアへ行って「もっと働け!」と言っても
アメリカへ行って「忖度しろ」と言っても
無理な話ですよね。
文化が違うから。
※たくさん働くイタリア人も、忖度するアメリカ人もいるかもしれませんが。
あなた・私たちの価値観を押し付けることになりかねないので、「仕事なんだから」という言葉は控えましょう。
代わりの言葉は「プロとして」
「仕事なんだから当たり前にやるだろう」
が通じない世代には、
『プロとして行動しよう』
を使いましょう。
結局言っている内容は変わらないんですが、表現が異なるだけで価値観の押し付けにはなりません。
■(いま行っている仕事の)プロとしての判断をする必要がある
■価値を提供することはプロ意識が必須
プロという単語を使うだけで前向きな表現になると思いませんか?
ただし、突然言ってもダメです。
日頃から口ぐせにして、『○○さんはプロとしての意識を持っている』と思ってもらうことが不可欠です。
合わせて、行動もプロとしての動きにしないと見透かされてしまいます。
まずは認め、聞くことから
以前「主体的に動く部下はどこにいる?」でも書きましたが、相手を認めることから始まります。
1,行動した内容
2,なぜその行動をしたのか
3,どのようなプロセスを踏んだのか
4,ゴールは定めていたのか
言い訳から入ってきたら、上の4つを『否定せずに』聞きます。
すると、どこかで歪みが出てくるのがわかります。
5,歪みが出てきたら、その歪みは何が原因だったのか。
6,それは人に起因するものなのか、環境要因なのか
7,改善策はなにか
この3項目を『相手に質問』します。
ここまで聞いて、やっと相手の本心が出てきます。
反対にここまで聞いてからじゃないと、情報不足で相手を批判することになります。
相手を認め主張を聞き、フラットな判断をするための情報収集をしましょう。
おわりに
鴨頭嘉人さんは『承認の土台があれば、褒めても叱っても心に響く』とおっしゃっています。
叱り方・褒め方ではなく、その前段の承認がもっとも必要なんです。
承認から始め信頼関係を構築することが、これからの時代をおけるマネージャとして活躍できる条件です。
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