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できるかな、やらなきゃな

パリから上海に向かう飛行機の中でこの記事を書いている。

長距離フライトでは2記事くらい書き上げたいところなので、このようにとりあえず筆をとった次第。さて、上海に辿り着くまでに仕上げられるかな。あと2時間ちょっとで着いちゃうけど。

離陸後6時間ほど眠り、ひとつ記事を書いた私は、日本から持ってきた『アメリカは自己啓発本でできている』(尾崎俊介)という本を読み始めた。最近好きで見ている『積読チャンネル』というYouTube番組で紹介されていたものだ。

まだ第2章までしか読めていないが、現時点で既に非常に面白い。自己啓発本というジャンルがどのような起源で起こったか、そしてそれがどのような発展を遂げていったか、について書かれているが、その歴史的背景や宗教との絡みが、わかりやすくかつ納得感のある形で書かれている。

(結局東京に到着するまでに全部読み終えてしまった。最初から最後まで、ずっと面白く読むことができた。おすすめ)

そしてこの本、面白いだけではない。今の自分にひどく“刺さる”のだ。

筆者の主張は一貫して「自己啓発本は面白く価値がある」である。その理由について、筆者はこのように説明している。少し長くなるが、以下に抜粋する。

自助努力系自己啓発本も、引き寄せ系自己啓発本も、ある一点については同じことを主張しているから。
その一点とは、「今自分が置かれている状況に納得がいかず、さらに良い人生を求めるなら、自分自身が変わるほかない」ということ。
人間の悩みとは、つまるところ「自分」と「自分の周囲の世界」との軋轢が原因であることが多い。自分はこうしたいのに周囲が反対するとか、自分はこれだけ素晴らしいことをしているのに周囲は評価してくれないとか、自分はこれがいいと思っているのに周囲は別なものが良いと考えているとか。
つまり、問題は常に「自分」と「自分の周囲の世界」の間で起こっているわけである。
(中略)
「自分」対「世界」の間に問題があって、「世界」の方を変えることができない場合、それでも状況を変えようと思ったら、方法は一つしか残っていない。つまり「自分」を変えるしかない。
そして、幸か不幸か、「自分」は変えられるのだ。というか、自分に変えられるものは、実は自分以外、何もないのだけれども。
となると、あなたには二つの選択肢しかないことになる。
自分を変えるのは嫌だから、このまま「お手上げ」して、この嫌な状況の中に居続けることを選ぶか、それとも、一か八か、自分を変えてみるか。
(中略)
この世にあるあらゆる自己啓発本は、それが「自助努力系」であれ、「引き寄せ系」であれ、一律に「後者を選べ!」と読者に呼びかけるものなのだ。

『アメリカは自己啓発本でできている』(尾崎俊介)

実は私自身、自己啓発本を敬遠していた節がある。学生の頃に1、2冊程度は読んだかもしれないが、それ以降は一切手にとっていない。

ちなみに、そういう人は案外多いのではないだろうか。そのことに関しても、筆者はこのように述べている。

世の自己啓発本ライターに対して、知的上流階級の人たちは総じて冷淡だ、ということ。大英図書館でのエピソードに限らず、私自身が今まで経験した範囲で言っても、大学関係/学会関係の人で、自己啓発本なり自己啓発本ライターのことについてある程度詳しく知っている人に出会ったことがない。
結局のところ、自己啓発本というのは、少なくとも知的上流階級の人たちからは不当に下に見られがちな文学ジャンルなのである。そしtそれは不幸なことー自己啓発本にとってではなく、知的上流階級の人たちにとってー実に不幸なことであると言わざるを得ない。

『アメリカは自己啓発本でできている』(尾崎俊介)

この本を読みながら、自己啓発本を敬遠していた私は、自己啓発本だけでなく自身が変わることさえも避け続けてきたことにふと気がついた。今の諸々の不満というのは、全て自分のできなさやだらしなさが原因であるにも関わらず、そこに目を背け、何らかの外的な解決策があるのではないか、とずっと模索し続けていたのだ。

きっとそんなものはない。私が努力して少しずつ変えていくほかないのだ。

そんな当たり前のことに、なぜ私は気づかないふりをしていたのだろう。仕事、生活、友人関係…そういった、皆が当たり前にやっていることを、私もきちんとやらなければならないのだ。37歳にして、そんなどうしようもないことに気がついた私は、何と愚かなのだろう。


日本に着いたら、きちんとやれるかな。

上海まであと1時間程度。そこから日本までは乗り換え時間も含めると5時間ほどある。

この6時間で、だらしない自分に別れを告げることはできるだろうか。


さて、何から始めよう…

まずはやはり、家の整理整頓だろうか。不必要なものが多すぎる。それを一旦思い切って処分しよう。

それから、今まで見境なくあれこれ購入してきたが、その習慣も一度辞めてみるべきかもしれない。モノを作る側として、消費することは大切だとずっと考えてきたが、それにも少し疑問が湧いてきたところだったから、ちょうどいいだろう。

あとは、食事だろうか。もう若くないのだから、贅沢はやめて、質素に、健康を心がけよう。

最後に、仕事。もっと、ちゃんとやろう。本当に…


変われるかな…

いや、変わらなければいけないのだ。自分を変えられるのは、自分だけなのだから。


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