成長の実感
伊勢丹新宿店で行われていた「Salon de Parfum in Summer」が終了した。
çanomaはこの1週間、1階化粧品売場の一角に単独のスタンドを構えさせていただいた。こんな感じ。
この1週間、終日店頭に立ち続けた。予想を上回る反響だったし、多くの人と話すことができた。1階の通行量の多いエリアにこれだけの規模のスタンド、視認性も当然高かった。つまり、「結果として」大変いいイベントとなった。
ただ、私はイベント初日から、既にこのイベントに参加したことの意義を、ブランドとして以上に、私個人として見出していた。
今回のイベントのスタンドを見た時、ブランドを立ち上げてからのこの2年半で、はじめて私は、「çanomaの成長」を実感することができた。
これまでは取扱店舗数や商品数が増えても、ブランドが進歩しているという感覚がほとんどなかった。やりたいことはまだまだ山積みなのに、何もできていないというもどかしさの方が大きかった。
今回のイベントのスタンドは、ご覧いただければ理解いただけると思うが、それなりにお金がかかっている。これを見た時に、ブランドとしてはじめて、商品以外のことにきちんとお金を費やしたように感じた。今まではただモノを作って販売するだけだったが(それはそれでもちろん大変なことなのだが)、それが「ブランド」を名乗る“資格”を得られたように思ったのだ。
çanomaはこれまで、いい香りを、いいプロダクトを、作り世に送り出すことのみに腐心していた。それはブランドとして当然の行いのようだが、それができているブランドがほとんどないように感じたからこそ、çanomaはそこにフォーカスした。
しかし一方で、そう信じてモノづくりをし続ければし続けるほど、いい商品を展開していくことと同じくらいに、いいブランドを作っていくことの重要性に気付かされた。一般的に「ブランディング」と呼ばれているそれは、言葉にすると簡単で、ともすると空疎な響きすら帯びているが、私たちが作った「いい商品」は、ブランドの力によって広く世に行き渡ることを鑑みると、その大切さが見えてくる。商品の「よさ」の理解に必要な知性は、必ずしも誰しもに備わっているものではなく、従ってその商品に触れた人全員に「よさ」が伝わるものではない。「ブランド力」と言われるものは、それを咀嚼し、ブランドの「世界観」と共に伝わりやすい形にするものだと、私は考えるようになったのだ。
çanomaを、いいブランドにしようと思う。このイベントは、その初めの1週間だったと、私は認識している。
来てくださった方、ありがとう。もっともっと、çanomaをいいブランドにしていきます。
これからもよろしくね。
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