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何かが私を呼んでいる

「あれ、何かがおかしい…」

それは例えるなら、ブラックホールに吸い込まれる星屑や、セイレーンの歌声のする方に向かう水夫、あるいは冬の日差しに溶けてゆく雪だるまが、「大きな力」に疑いもなく身を委ねている最中にふと我に返る瞬間のような、そんな感じだった。


今日は伊勢丹新宿店でのサロンドファルファン初日で、私は終日店頭にいた。人が途絶えることがなく、お手洗いに一度抜けた以外は昼食も休憩も取れなかった。

閉店後、そのままタクシーに乗り「折角堂東京」で行われているイベントに参加した。楽しい時間を過ごしたが、立食パーティーだったため、一日中立ちっぱなしの私の足は限界を迎えていた。着物を着ていたため、足元は慣れない畳表の雪駄。足裏が痛くてしょうがなかった。

夜10時半ごろ会場を後にし電車に乗る。電車の中で「今日のnote、何を書こうかなぁ…」と思案しながらスマートフォンの画面をぼんやり見つめるが、結局何も浮かばなかった。

家に着いたのは夜11時半ちょっと前くらいだったと記憶している。洗濯機を回しながら、帰りがけにコンビニで買ったサンドイッチを頬張る。コーラもぐびぐび。本日初めての食事らしい食事だった。胃からエネルギーが蜘蛛の子を散らすように末端へとじんわり拡散していくのを感じる。

洗濯が終わるまであと10分くらいある。流石に疲れすぎている。タイマーをかけて少しだけ横になろう、深夜0時に起きて、洗濯物を干して、そこからnoteを書かなきゃなぁ…


何かが私を呼んでいる。声が聞こえる。ところで私は今どこで何をしているのだろう…?


これが冒頭の「あれ、何かがおかしい…」に至った経緯である。

深夜1時半だった。アラームも、洗濯機の終了音も、私の耳まで届く前に力尽きていたようだ。

10分の予定が1時間半ほど寝てしまったわけだが、逆にいうとこの疲労状態の中、1時間半で起きれたことに我ながら感心してしまった。


それでは、私を呼んだ声の主は誰だったのだろうか?

それは間違いなく、noteだった。

「今日まだ一文字も書いてないけどいいの…?今日は書かないで朝まで寝ちゃうの…?明日は明日で忙しいよ…?今夜のうちに書いておいた方が身のためだよ…?」

という声が、蟻地獄に足を取られた蟻のように落ちていく私を、どこからともなく掬い上げたのだ。


そして今私は、1時間ちょっとをかけこの文章を書き上げた。

ここまでくると、なんだかもう病的にnoteに取り憑かれている。この投稿で、連続投稿892日目。


習慣って、恐ろしいね…


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