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1週間ゲームジャム「つたえる」の開発を振り返る

2023年3月に unity1weekが開催されました。備忘録も兼ねて語ります。今回はこういうゲームを作りました。よかったら遊んでみてね。


お題の検討

お題の「つたえる」には自分なりの狙いを込めています。今回は「遊んでもらえる」ゲームがたくさん出てくるようなお題がいいなと思いました。

とはいえ、どんなゲームが遊んでもらえる作品なのかはよく判らないので..自分の感覚を信じることにします。

u1wのゲームを遊んでいると「完成度が高い作品」とは別軸に「心に残る作品」があることに気が付くとおもいます。例えば嗜好を強烈に反映した作品や、個人的に言いたい事がある作品、なんとも言えないエモさ、気持ち悪さ、ポジティブさを持った作品は「心に残る作品」だなと思います。

私はそういうゲームが大好きですし、時勢と関係なく「話題になるゲーム」なのかなと思います。(遊んでもらうにはまずは話題にしてもらわないと)
これらのゲームに共通する言葉を考えたときに「つたえる」という言葉にたどり着いたので、今回のお題とさせて頂きました。

アイデア検討

お題発表と同時に色々と検討してみたのですが、どうも「つたえる」というお題、シチュエーションは出てきてもゲームサイクルに上手く落とし込む事ができません。けっこう難しいお題だったようです。(どうしよう..)

迷走

とりあえず作り始めたのですが。途中まで作った作品を3つほどボツにしています。悲しくなるので割愛。この時点でこころが半分折れかけています。

よりみちアイランド

評価期間もラスト1週間。真のunity1weekはここからはじまります ゲーム開発者である以上ゲームを作り続けないといけないのです。倒れるなら前に倒れるべき。

学生時代に面白いなあと思っていて。なんとなく覚えていた実験があるのですが、そこから着想を得て「道案内をするゲーム」を作ろうと思いました。(ロボットが道にいる人に目的地の方向を聞き続けて目的地まで行けるか)

ということで道案内をゲームに落とし込んでいきます。迷子になっている友達から写真が送られてくるので、プレイヤーは目的地への方向を教えてあげるゲームということにします。

写真(絵)から位置を推定する遊びは、ドラマやアニメの舞台のモデルになった場所に実際に行く行為、いわゆる「聖地めぐり」をしたことのある人なら一度は体験したことがあると思います。
今いる場所の画像をから地図上の位置を推測するゲームとしてはGeoGuessrというゲームが有名ですね。

開発

絵を描く

とりあえず方向は決まったので絵を描いていきます。ゲームの舞台となる島のマップです。ランドマークになりそうなものを意識して森とか山を配置していきます。地図ができてしまえばこっちのもの?です

島のマップ

送られてくる写真の絵を書いていきます。

ビルの裏 (建物がる場所を示す)
岬 (遠くに島が見える)
森(場所に関する情報なし)
40枚以上あるので大変でした

UI

今回はメッセンジャーアプリみたいなUIをつくりました。テキスト(特に短い文章のやりとり)、選択肢、写真、スタンプなどの複数のメディアを一つのUIで扱えるので結構面白いかなと思います。

アプリに見立てることで、普通のメッセージウィンドウとはひと味違う見せ方が出来るのではないでしょうか。今後も使っていきたい。(縦長になるのでレイアウトが難しいとかはあるかも)

スタンプ画像

スタンプの画像はMicrosofがフリー化した3D調の絵文字をつかわせてもらいました。可愛いので今後も使いたいです。

完成

評価期間終了の1日前くらいになんとか完成しました。お疲れ自分。

反響

ロッズさんに取り上げて頂いたこともあり、多くの人に話題にして頂きました。とてもありがたいです。これからもゲーム作っていきたいですね。


実は前回の「もしも シナリオ」も取り上げて頂いたのですが、ここまでの反響はありませんでした。今回の「よりみちアイランドは」コンセプトが明快で良かったのかもしれません。

配信もたくさんして頂いたので、自分のゲームを遊んでいる様子をたくさん見る事ができました。ゲーム開発者として最高の幸せではないでしょうか。

youtubeでたくさん見つかります

また、自身のゲームを改善するためには、人が遊んでいるところを観察するのが一番良いというのもありますね。とても良い状態です。

反省点

(話題になったという意味で)反響が良かったとしても、それとは関係なく反省点というものはあるので。しっかり内省していきたいところ。

評価や反響をみていると、面白い部分、楽しい部分は、ねらい通り評価してもらえているものの、多くの課題があるゲームになってしまいました。

作り込み不足
今回は開発に時間をあまりかけられなかったので、このゲーム性で実現したいことの半分もできませんでした。ある種のゆるさが出ていて良いみたいな部分もあるのですが。(本当はあんなことやこんなことやりたかった。)

たとえば友達が猫の写真を送ってくるとか..

また写真の絵を描く行為は制作コストがとても高いです。今回は40枚以上描きましたが肌感としては全然足りていないです(たぶん倍は必要だったでしょう) 3Dの島を作ってキャプチャーした画像を使うなど工夫できると良かったかもしれませんね。

イテレーションに失敗
最大の失敗は、最初に島の地図を「細かく描いてしまった」ことにあると思います。テストプレイをした結果、川の位置、集落の配置、島の構造を変えたいと思っても、島の地図を細かく描いてしまっていると、全てを描きなおす必要が出てしまいます。(つまり変更が難しいということです)

島の地図はラフで描いてテストプレイまで持っていく。調整完了となったときに初めて細部を書き込んでいく。という順番だったら、もっと細やかなイテレーションを実現することが出来たのかなと思います。

何を作るかと同じくらい、どうやって作るかは重要ですね。むしろ作り方のほうが大事かもしれない。

今後の展開

「よりみちシリーズ」としてシリーズ化できればなと思います。

反響を見る限り、よりみちアイランドのコンセプト自体は良かったと思いますし、自分としても可能性を感じるゲームだなと思います。

今回のゲームジャムで課題点も見えましたし、実現できなかったアイデアがとんでもなくたくさんありますので。今後も作っていきたいですね。


以上です。読んでくれてありがとうございます^^
次回のゲームジャムでお会いしましょう

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