気づけば日曜日

今日もある作品のオーディション。
台詞を覚えるのが段々と早くなり、台本を読み込む時間に充てられるようになったことが嬉しい。
それでも会場に着くまでは不安で仕方がなく、マスクの奥で何回もボソボソと台詞を反芻してしまうのは変わらない。もはやルーティンのようなものでもある。
会場に入ってすぐに審査が始まる。
自己紹介もせずいきなり2人芝居だなんて珍しい。
台詞を飛ばすことなく、自分の解釈で膨らませた等身大の役で居ることができた。人と演じることでようやくシーンが完成したという満足感がやってくる。
そうしてあっという間にオーディションはおわり、
僕は会場をあとにした。

ずいぶんとはやく終わった。さぁこっから何をしよう。
携帯をみて、はじめて今日が日曜日だと知った。
とりあえず疲れるまで散歩をしよう。
気になった所を写真で切り取ろう。
好きな音楽を聴こう。
耳から僕の休日がはじまった音がした。