なんだ、この寒さは。
友達とお酒を飲んだ。
それに伴い18時頃にもなって外へ繰り出したのだけれど、とんだサプライズを食らうこととなった。
なんだ、この寒さは。
部屋の中で感じていた“寒さ”とは訳が違う。
つんと突き刺すような風がどこからか吹きつけて、
毛穴がぎゅっと戸締りするような、そんな風情だった。
土壇場で保険として着込んだ1枚のロンTにお釣りが出そうなほど感謝をした。ありがとう過去の自分。
これが季節の変わり目か。
いや、ちょっとこれは秋飛び越えてないか?
そんなつぶやきを心の中で展開しながら乗り込んだ小田急線はやけに暖かく感じた。
友達と近況と少しの未来を話して慣れないお酒を飲んだ。
体が素直に反応してほわほわになった。
店を出たあとは寒さが余計に身に染みた。
〆で食べたラーメンのスープがさらに身に染みていた。
帰りの小田急線もまた、ずいぶんと暖かい。
事故か何かで大混雑していて、海のような力強さと流れを感じた。僕はただそこに身を任せるしかなかった。
東京って夜でもこんなに人が居るんだ、とほわほわする頭の中で呟く。最寄りでもない小田急線がやけに落ち着いた。
明日もまた寒いのだろう。
どんな装いで外に繰り出そう。
ほわほわな今の頭では考えられないだろうから、
今日はぐっすり温かい格好をして眠りにつこう。
終わり