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新規事業開発#7(心折れそう)

新規事業開発を始めてから、最初の方はメンタルが安定していたのですが、2ヶ月目くらいで心が折れそうになるタイミングが何度かありました。

普段このマガジンの記事では、勉強したことや、事業開発での進捗を淡々と書いていますが、今日はいつもと違って、メンタルに関する内容を書きます。

「心が折れそうなタイミング」と「ストレスマネジメント」についてです。

心が折れそうなポイントと、心の拠り所

心折れそうポイント① これホンマに上手く行くの?

最初の方は、色々な選択肢がある中で可能性を探るフェーズでもあるため、未来がワクワクしたものに見えてきます。

しかし、アイデアを固めていくということは、一部の選択肢にベッドするという行為でもあります。言い換えると、成功確率が高そうなものを残して、他の可能性を一旦排除している状態ともいえます。

何らかの根拠や裏付けがあってそれを選択していたとしても、結果としてそれが上手くいくかどうかは、実際に動かしてみないと分かりません。

アイデアができて検証が始まるまでの準備期間は、上手くいくか失敗するかも分からないタイミングであり、前にも後ろにも進んでいないような感覚があります。

心折れそうポイント② このチームで大丈夫?

2つめは、チームに関することです。
人は誰でも得手不得手がありますし、モチベーションに波が生まれるのは自然なことです。

また、特にサイドワークとして関わってもらっている場合、その人の中でこのプロジェクトの優先順位が必ずしも高く保たれているとは限りません。

そんな中で、チームとしての力を最大限引き出せているか、不安になります。

チームビルディングの記事にも書いたように、チーム形成してから暫くすると、そのチームに対する期待感よりも不安が上回る時期が続きます。

ここを乗り越えられるかどうかが、チームビルディングが成功するかどうかの分かれ目なのですが、この谷を下っている期間は、心が折れそうになります。

心折れそうポイント③ 年齢

これはとても個人的なことなのですが、僕は今24歳で、同級生は新卒2年目で働いているか、修士2年生の大学院生が多いです。博士に進学する人もいますが、来年から多くの同級生が社会人として働きはじめます。

大学生という身分を持ちながら起業しているものの、それももう数年すれば無くなってしまいます。よく「経営者は孤独だ」と言われますが、ついに(制度ではなく気持ちの面での)後ろ盾がなくなってしまう不安があります。

心折れそうポイント④ お金

スタートアップでは、サービスの開発段階からいきなり収益が生まれるとは限りません。受託である程度稼ぎながら進めているとはいえ、今開発しているサービスからの収益がない中で進めていくことは大変に感じるときがあります。

さらに、この事業に集中するために受託案件をある程度セーブしているものの、実際には作業時間が増えており、その負担も感じています。

心の拠り所になるのは、最初に描いた未来

これまでプロジェクトを進める時は、今くらいのタイミングで心が折れて辞めてしまうことが多かったです。

プロジェクトがビジネスアイデアからビジネスモデルへと進化するときに、克服すべき課題はたくさんあります。アイデア段階は楽しいことが殆どだけど、ここからは大変なことも増えてきます。

それでも心折れずに進めていくために必要なのは、最初に描いた未来を信じながら今すべきことを粛々と進めることだと思います。

そのアイデアが実現したらどんな世界が待っているのか、それを詳細に描くことは、そのアイデアを生み出した人の責任だと思います。

(改めて)そのアイデアに人生をかけられるか?

#2の記事で「人生をかけても良いと思えるか?」と書いたのですが、それくらいの本気度でないと結局最後まで続かずに頓挫してしまうのだということに気づきました。

チームが1つの車だとしたら、CEOはハンドルを握ったドライバーです。これからどこに行くのか?行った先でどんなことが待っているのか?それを詳細に描き続けることが必要です。

ストレスマネジメント

とは言え、どれだけビジョンがしっかりしていても、やはり「心折れそう」はやってきます。

僕は、ストレスや不安と上手く付き合っていくために、それらが溜まった時に行うルーティンのようなものを持っているので、それを整理してみます。

  1. サウナに行く

  2. サイクリングする

  3. 運動する(ランニング、キックボクシング)

  4. 何かを書く

  5. どこか遠くに行って、人と会う

  6. (疲労が原因の場合は、) 寝る

  7. 音楽を聴く、芸術に触れてみる

特に1, 2は、重要な意思決定などピンポイントでストレスがかかるときによくします。また、慢性的なストレスについては1〜5を、体力的にきつい時は6、という風に、自分の状態に合わせたストレスとの向き合い方を決めています。

また僕は持病を持っていて、薬を打つタイミングによって体調やメンタルにブレが生じるので、できるだけその周期も把握するようにしています。

ストレスがかかるタイミングや、その対処法は人によって違うと思うので、自分なりのやり方を見つけることが大事だと思います。

定量化することを怠らない

不安は、これからどうなるか分からない不確定な状況で発生するものだと思います。つまり、確定的な情報を増やしておくと、その不安は解消され、具体的なアクションをどうするか?という考えに変わるのではないかと思います。

例えば、毎月の財務状況の整理を怠らないとか、ユーザー数を把握し続けるとか会社やサービスの状態を表す数字にいつでもアクセスできる状態を維持することが、不安解消につながるのだと思います。

最後に

数年前の僕だったら、もうすでに心が折れていたと思います。その時と比べると、自分のメンタルをマネジメントする術は少しは身についたのかなと思います。

もう一つ重要なこと。
スタートアップは、スピード感を持って意思決定し開発を進めていくことが重要です。一方で、チーム形成やプロダクトの磨き込みなど時間がかかる部分では焦りすぎず、長い目で成長を見届けられる器も必要なのだと思います。

今回は、事業開発の進捗というよりは、自分のメンタルをどうやってマネジメントするか?みたいな話でした。
アクセル全開で進むことも大事ですが、ときどき、立ち止まってメンテナンスをしないと壊れてしまうので、そういう時間も必要なのかなと思います。


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■ 筆者プロフィール

青貝悠汰 (あおがい ゆうた)

  • 株式会社エンネ 代表取締役

  • KADOKAWAドワンゴ情報工科学院 講師(非常勤)

  • 広島大学情報科学部 学生(在学中)

2000年生まれ。和歌山県和歌山市出身。
小さいころから工作が好きで、高校生の時に俳句を自動で生成するアプリを作ったことをきっかけに情報科学の分野に進む。

エンジニアとしてCRMアプリの開発、新規事業への参画、スタートアップ企業の取締役(CTO)、自身でも新規事業立ち上げ等の経験を経て、2024年7月に株式会社エンネを設立。

受託開発や地方創生インターン支援等を行いながら、同じ時間に同じ目的地に行きたい人をマッチングし車に相乗りして移動するためのサービス「mate」の開発を行っている。

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