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🍥和風ローストビーフ🍥
我が家では、滅多にお目にかかれない和牛である。
ただでさえ相談もなく燻製用の肉塊を買って帰り、妻から白い目、しかも三白眼の超白目で見られることが常態化しているのだ。
この緊張関係で、毎週のように買って帰る肉塊が和牛になったとしたら、私の返り血で妻の白目と和牛のサシが紅に染まる可能性すらある。
血みどろの刃傷沙汰とはいえ紅白が揃った。和牛を持ち帰るタイミングは年の瀬が相応しいだろう。
娘を連れ、プリキュアのイベントへ出かける妻の背中に、
「ついでだから、年末年始の食材(和牛)買っとくわ〜」
などと、なにが「ついで」なのかは解らないが、速やかに和牛の外モモを連れ帰ったのである。
この手の火種は、妻が帰宅する前に調理をしてしまうに限る。
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常温に戻し縛った肉に塩胡椒をし、しっかりと熱したフライパンに牛脂を落として表面を焼いていく。
ちなみに、香ばしく焦茶に色づくことをメイラード反応という。エルニーニョ現象でも建もの探訪でもない。メイラード反応だ。憶えておこう。
あなたの顔色が茶に色づいたって?
それはメイラード反応ではない。肝臓のアレだ。
今すぐ病院へいけ。
【漬け汁の材料】
※肉500グラムに対して
・ネギ頭 生姜 少々
・清酒 100〜150ml
・本みりん100ml
・醤油 50ml
①細切りにしたネギ頭と生姜を軽く炒め、香りを立たせる
②清酒、本みりんを加えアルコールを飛ばし、醤油を加えてひと煮立ちさせたら火を止め粗熱を取る
③前述の焼き目をつけた肉の油脂を拭き取り②の漬け汁とジップロックへ入れ、空気を抜く
④55〜60℃で低温調理にかける(今回は57.5℃で2:30の火入れ)
⑤常温まで冷めたら漬け汁ごと冷蔵庫で1〜2日寝かせる
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上記写真の低温調理器は二代目でアイリスオーヤマのものだ。
ちなみに初代のオーヤマさんはあまりにもハムを作りすぎたためか高温調理器となって絶命した。
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牛肉の旨味が溶けた漬け汁はガーゼやペーパーで濾し、醤油、砂糖、あるいはハチミツを加え、味を見ながら煮詰めていくと牛出汁和風ソースが出来上がる。
少し玉ねぎやにんにくをすり下ろして加えるのもありだ。
今回のソースは上記のものに卵黄を絡めたブツだが、酒に対する自制心までもがそれに絡め取られソファで酔い潰れ、妻からの信頼すらも絡み取られるディアボロソースだ。
作って食べるのは自由だが、
せいぜい気をつけるんだな。
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肉はテーブルにひらく
蛇足だが、私も自身を42℃の湯船で30分ほどの低温調理にかけ、その後はキンキンのビールで急冷する。
この状態を、中年男性のローストという。