自己紹介です。
ヴォイスティーチャーって、なんですか?
って、よく言われます。日本ではまだあまり馴染みがないのですが、欧米諸国では、リーダーや政治家などのスピーチを支援する人のようです。
僕のやっていることは、映画『英国王のスピーチ』が比較的イメージに近いかなぁと感じています。
もちろん、声のを良くしたり、喋り方や表現力を向上させたりというのは、必要に応じて行います。ただ、結局テクニックだけでは、上手いけれど、人の心までは動かせないですよね。だから、その人の本来持つ”ミエナイチカラ”を引き出し、それを声に乗せることで、言霊を届ける力(=伝える力)を養っていきます。
”本来の自分自身を偽らずに発する言葉”というのは、不思議なもので、周りに強く影響を与えるだけでなく、その人自身をもエンパワーメントしていきます。そして、自然と強い意志が生まれていき、結果、誰にも真似できないオンリーワンの人生を切り開いていけるようになるのです。
僕の役割は、その過程に伴走すること。
自分自身の持つ”ミエナイチカラ”は、最初のうちはそれを信じること自体がとても難しいので、必要な経験をコツコツ積んでもらいながら、人生の中で数々起きる”迷いの瞬間”が来た時に、原点に立ち返られるようにサポートをしています。
要は、なかなか理屈だけでは説明の仕様がない。勘とか感性といった類の、なんとも不思議な能力を”より効果的に"引き出す、というお仕事です。
と言っても、やっぱりまだよくわからないと思うので、参考までにこういう仕事ができるようになるまでの僕自身のストーリーを紹介していきますね。
【生い立ち】
1984年 愛知県豊田市に生まれる。
気弱で、親にも友人にも本音を話すことできない幼少期を送る。
中学から空手と剣道を始めたことで、それまで小柄で太っていた体型が一変し、運動神経も良くなる。このあたりからようやく自信を持ち始める。
高校は市内の進学校へ。剣道部と両立しながら、学校の勉強のペースに追いつくため、このあたりから独自の戦略を使って、効率的に勉強と運動の結果を上げていくことを覚える。割と充実していた高校生活だったとは思うが、みんなを盛り上げたあとに、強烈にひとりになりたくなるようなことがしばしばあった。
名古屋大学教育学部に進学。アカペラを始め、ライブ活動に夢中になる。
19歳の時、交通事故により大ケガを負い入院。”死”について深く考えるようになり、生かされた残りの人生を”エンタテイメントを通して人を元気にしよう”と決意。
大学を2年休学し、21歳でワーキングホリデーでカナダへ渡り、現地でも音楽活動を行う。
帰国後、芸能の世界を目指すため、就職活動をしないことを決める。この頃から演劇と司会を始める。
大学卒業前から東京に移り、フリーターをしながら卒論を書きつつ、ラジオDJの勉強を始める。24歳で運良くラジオDJデビュー。
25歳で名古屋のZIP-FMでのデビューが決まり、名古屋に戻る。以後8年間在籍。
ラジオDJ・MCとして活動しつつも、メディア業界での様々な葛藤の末、”人にとっての最大のエンタテイメントは自己成長”だと確信し、講演などを通して、教育フィールドでの活動を始める。
同時にフェアトレード、震災復興支援、献血推進、環境啓発などの社会活動も積極的に行う。
東日本大震災を機に、『いそがい 喋りの教室』を立ち上げる。その人本来のこころの声と現実の生き方をつなげ、たくさんの人たちのチャレンジを推進。次第に経営者等の個人メンター、企業研修、講演などの依頼を頂くようになる。
2017年ラジオDJを辞める。企業に呼ばれることが多くなり、人の才能開花の活動に主軸を置き始める。
2018年司会業を辞める。肩書きやポジションに執着しないありのままの生き方に挑戦中。
【喋り手時代の葛藤】
学生時代からよく聴いていた憧れのラジオ局で、ラジオDJとして喋れるようになったのは、本当に嬉しいことでした。
しかし、直前までフリーターとして生活していたため、急にたくさんの人たちが自分を認めてくれるようになったことにとても驚き、自分自身は大して変わっていないのに、周りはこんなにも急に態度を変えるのかと、とまどいや恐怖も感じました。
会社員経験のない僕にとって、はじめての”所属”という感覚は、安心や世間的な名声を与えてくれましたが、同時に”自分の肩書きが独り歩きしているような感覚”に呑まれないようにしなければと、一年目からすでに葛藤の連続でした。
これはのちに自覚したことですが、僕は他人の感情にかなり敏感な特性を持っていて(心理学的にはハイリーセンシティブパーソン・HSPというらしいです。)、例えば、表向きは立派なことを言っているのに、その腹の底では自分の保身のことばかり考えている人たちの本心がわかってしまい、そういう人たちとの表面上のコミュニケーションやこびへつらいのやりとりをしなければならない状態が、ただただしんどかったです。飲み会は地獄過ぎましたね。
ただ、こういうのはよくある話で、決してメディアや芸能業界に限ったことではないですよね。特定の個人が悪いというわけでもないです。現代社会に適応していくための、集団における人間のフツウの行動なのだろうと、ある時気付いたため、人のことをどうこう言うのではなく、自分の生き方をぶらさないようにしようと、2年目あたりから独自の動きを始めました。
自分が大きな決意をすると不思議なもので、
はじめの頃は周りから多少の批判はあったものの、そこを振り切って行動していくと、次第に批判は少なくなり、むしろ僕に賛同してくれる人が増えていきました。元々ラジオ番組自体は好きでしたので、その部分は楽しみつつ、司会や講演など僕自身がある程度自由に創れる空間においては、人と人とが、なるべく自分の心を偽らずに関われるようにすることを大事にしながら活動を続けました。
それがやがて、リピートでお仕事を頂くような流れを生み出し、30歳になる頃には、”ほぼイヤなことはしない働き方”が確立できるようになりました。
ラジオ局を辞める頃には、自分が得意とするお仕事で十分な収入を得て、週の半分くらいは休めるような生き方ができるようになりました。(こういう生き方ができるようなるための方法論は、おいおい別の記事にて詳しく書こうかと思います。)
当時、僕の生き方を話すと、賞賛してくれる方も多かったのですが、僕自身の内心は「ようやく、誰にも傷つけられずに生きられるようになった」というのが、正直なところでした。
僕にとっては、社会の中で、周りが言うようにフツウに生きていくことが、ただ辛かっただけなんです。
【人々が本来の自分を安心して出せる”場”づくりの必要性】
自分自身が生きていくのに辛い思いをした経験から、もっとみんなが気兼ねなく本音を出し合って、フラットな人間関係でお互いを尊重し合える場があったらいいのに、ずっと考えていました。
東日本大震災を経て、もう一度”死”について考えてた時に、待っていても何も始まらないなと感じ、まず自分自身がそういう場を作っていこうとチャレンジを始めました。
およそ2年のトライアルを経て、「いそがい 喋りの教室」を立ち上げるに至ります。(現在は休講中)10代~60代の幅広い世代の方々が集まってくれて、5年間でのべ100人以上の”こころの声”と”生き方”に寄り添ってきました。
引きこもりの状態から人生を逆転させたり、人前が苦手だった人がプレゼンのコンテストで優勝したり、現役で活躍するアナウンサーやキャスター、ラジオDJなどもここから輩出しています。
この経験からわかったことは、人は本来だれもが自己実現する力を持っている、ということです。
ただ、現代社会はまだまだルールや規制で人間の持つ自由な感性を押さえつけてしまいます。当然その中で育った僕たち自身も、いつのまにかその常識を守らなければならないという固定概念を強く持つようになってしまったために、自分のこころの声に従って生きていくことは決して簡単ではありません。
だからこそ、個人でチャレンジをするだけはなくて、チームでチャレンジしたり、理解のある仲間たちとこころの声を共有していく場を作っていけば良いんだと思います。
研修・講演などを通して、こういう場づくりは企業や学校内でも十分に可能だなぁという手ごたえは感じています。
むしろ、今特に企業などで必要に求められているイノベーションは、こういう空間でこそ生まれるものです。
(閉塞的な会議や、イノベーションを起こせ!と煽るような空気感では逆効果です。)
僕は長らく環境省さんのお仕事にも携わってきましたが、そこで何年もずっと言われ続けていることは、”僕たちがこのままのペースで生活していたら、どのみち地球が持たない”ということ。
そして、その地球を救う一つの鍵は、イノベーションです。
時代と共に価値観が大きく変わり、若い世代を中心に、物資的な豊かさをさほど求めない人たちが増えてきました。
企業さんと話をしていると、若い世代は元気がないといった意見もよく聞くのですが、決してそんなことはありません。彼らはただ、これまでのように物質的な豊かさを追い求める働き方に意欲を持てないだけなのです。
教育フィールドでの活動を通して、たくさんの学生さんたちとも触れてきましたが、今の若い世代には、本当に天才的な才能を持つ子たちがたくさんいます。
おそらくそれは、幼い頃からフツウにスマホやPCに触れられるような、この豊かで便利な世の中で育つことができたからではないかと思います。その能力をさらに伸ばしていくためにも、彼らの素晴らしい感性が共鳴し合うような場を作っていくことと、彼らの考え方を”これまでの価値観で縛らないように、サポートしていくこと”が必要だと、僕は考えてます。
世代に関わらず、いつの時代も人々の心を踊らせるのは”未来への希望”だと思います。
今の時代、希望はどこに生まれるのでしょうか?
豊かで便利な暮らし、
それでいて、人々が正しさや義務感を押し付け合わずに、喜びやわくわくを共有していけるような環境ではないでしょうか?
そんなの理想的過ぎますか?
そんなんじゃお金は稼げないですか?
けど、そこに人々の希望が集まれば、活力がどんどん生まれ、自ずと物質的な豊かさももたらされていくと僕は思いますよ。
子どもたちが笑顔で暮らせる未来を残していくためにも、
豊かで便利な暮らしをもたらしてくれた”現代資本主義的な生き方”と、
人と人とが自由な感性を共鳴し合い、今を生きる”ありのままの生き方”とが手を取り合っていくことが、これからの時代に必要とされているのです。
僕個人は、まずは企業と教育フィールドでこの”統合”を行っていくべく活動をしています。共鳴してくれる企業さん、リーダーの方々と巡り会えるのを楽しみにしています!
~無工夫、平素に在れ~
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