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3Dプリンタ、一難去ってまた一難。

前回エントリのとおり、次男坊が念願の3Dプリンタを入手した。

3Dプリンタの材料の樹脂は糸状になっている。そのため、フィラメントとよばれている。フィラメントはぐるぐる巻きの束になっていて、その束はリールとよばれている。あの釣り道具のリールとおなじネーミング。

そのフィラメント、初回100m分を使い果たしてしまったので、リールを交換することになった。ところが、前回エントリの最後に書いたように、ここでトラブルが発生した。

なんと、交換したリールが認識されないのだ。よく見ると、初回のリールに付属していたグリーンのチップが、新しいものには見あたらないではないか。

これは大変!フィラメントの情報が記録されたチップをなくしてしまったか。

探しまわったけど、それらしきものはどこにもない。落ちついて、もういちど新しいリールを見た。そのチップをのせるべき場所に黒いステッカーのようなものがある。本体に付属していた初代のものにはなかったものだ。下の写真の左が、交換する新しいもの。右は本体についてきた古いもので、グリーンのチップを載せてつかっていた。

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製造元のウェブマニュアルを読む。最近どうやら仕様が変わって、別パーツになっているチップが廃止されたらしい。黒いステッカーがチップの代わり。

なるほど、わざわざ紛失の可能性のあるチップをつかう仕様より、一体化しておいた方が良い。2Dのプリンタのインク管理がそうなっているように、3Dもそうしないとね。

変に納得してしまったけど、使えないようでは困る。よく調べると、その新仕様のリールを認識させるには、”本体のファームウェアのアップデートが必要”とある。

イヤな予感がした。

前回エントリで書いたとおり、10年モノのMacBook Proで旧バージョンの管理ソフトを使っているからだ。

とにかく、そのファームウェアをアップデートしないことには進まない。手順にしたがって、管理ソフトからのアップデートをこころみた。

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ところが、このとおり”更新”の項目がグレイアウトされて選択できなくなっている!

かくなるうえは、問い合わせるしかない。

メーカーのウェブサイトにある問い合わせ先に、新しいフィラメントが認識されないことと、ファームウェアの更新ができない旨をつたえた。

かえってきた返信は、「最新版のソフトからアップデートしてください」とのこと。

・・・予想どおりだ。しかしダメもとで、旧バージョンでもファームウェアの更新ができないかと訊いてみた。

しかし、またも返事は「最新版から」。

うん、そうよね。いつまでも古いバージョンのユーザをサポートなんかできないよね。わかるわかる。適者生存。最新技術を享受するには、環境の変化に適応しなくてはならない。わたしたちはホモ・サピエンスである。21世紀に3Dプリンタを使おうというのに、進化の足踏みをするわけにはいかない。

MacBook Proのシステムのバージョンをあげて、最新版の管理ソフトをいれることしか道は残されていない。

かくして、ひとまず3Dプリンタからはなれて、MacBook ProのシステムをmacOS 10.13 High Sierraまであげることになった。Appleのウェブサイトから、過去の各バージョンのイントーラをさがしだしてダウンロード。

余談だけど、実はいったんひとつ前のmacOS 10.12 Sierraにする手順をとっていた。10.13からMacOSのアップデートの方法がアプリ経由に変わっていたからだ。

とにかく、10.13へのシステムアップデート。やけに時間がかかる。大きなアップデートだし、マシンスペックもギリギリだから気長に待とう・・・そう考えていたら、厳しい現実がスクリーンにあらわれた。

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え?! 「macOSをインストールできませんでした」とな。とにかく後もどりはできないので、画面の指示どおり再起動した。うまくゆきますように・・・。

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再起動後にOSのインストールをやりなおしたけれど、事態は深刻そうだ。ご丁寧にインストールログが表示され、あらためて「インストールを完了できませんでした」とのポップアップ。

いったん、もとのOSで起動しなおして作戦を練りなおすとするか。

ディスクユーティリティから起動ディスクを選択しようとした。しかしながら、起動ディスクのプルダウンが機能せず。これは・・・もしかして、もとのシステムには戻れなくなってしまったか。

最悪の事態があたまをよぎった。このMacBook Proのバックアップをとらずにアップデートをはじめてしまった。戻ることも進むこともできなくなり、なかに閉じこめられたデータもそのまんま。

とにかく3Dプリンタを動かすには、別にパソコンを用意するしかない。制御ソフトのMac版は、まだ最新のmacOSには対応していない。Windowsマシンを買うしかないのか?!

わたしのMacユーザ歴は、すでに四半世紀。Macであれば、だいたいのことは対応できる。しかし、Windowsは仕事で1ユーザとしてつかっているだけだ。なにかがおこったときのトラブルシューティングまでこなす自信なんてない。

前回のnoteを書いたのは、このタイミングだった。途方にくれつつ、気分転換をかねて、これまでのことをつらつらと書いた。投稿しおわって、やっぱり途方にくれたまま、Macの強制再起動をこころみて床についた。

翌朝。やはりOSのイントールが完了できなかったとのアラートが出ていた。

エラーログには、言語パッケージ関係のリソースが見つからないとある。たぶん、そこはひっかかりのひとつで、おおもとは別にある。このOSから言語の入力切り替えの仕方が変更されたことと、関係はあるのだろうか。

このOSからファイルシステムがAPFSに変更になっている。古い機種だとハードとの相性が悪くなるパターンだ。出勤前に、ネットワークサーバからのOSインストールをかけておいた。ローカルにダウンロードしたインストーラにあったと思われる問題は、ネットワーク側ではすでに解決済みなんじゃないかと期待して。

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帰宅後、ドキドキしつつキーボードにふれた。暗い画面から、時間をかけて浮かびあがったのは、ログイン画面。背景には、あの「macOSをインストールできませんでした」アラートのアイコンにつかわれていた、紅葉した山の写真があった。

どうやら、なんとかアップデートできたようだ。ひと安心。あきらめなくてよかった。

スペックぎりぎりのせいか、それまでのカスタマイズのせいか、Macの動作が異常にのろい。こればかりは気長に待つしかない。こののろさはかなりフラストレーションがたまる。でも、想定した最悪の事態をまぬがれたのだから、なんだか許せてしまう。「Macよ、よくがんばったねぇ」と同情したいぐらいだ。

新OSのセットアップを終える。そして、XYZprinting社のウェブサイトにログインし、管理ソフトの最新バージョンのインストーラをダウンロード。ゆっくりすぎるレスポンスにも慣れてきた。

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ようやく順調に最新バージョンがインストールできた。たちあげると、旧バージョンではつかえなかった機能もバッチリ。これには、旧バージョンで残念がっていた次男も小躍りしてよろこんだ。

さて肝腎のフィラメント。ファームウェアの更新も、すんなりできた。あたらしいリールを設置すると、きちんと認識してくれている。

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ここまでの道のりは、長かった。平坦ではなかった。でもなんとか問題を解決できた。用意されている機能もフルでつかえそうだ。ただ、この10年選手のMacBook proはギリギリのスペック。きっととても動作が重いことだろう。もしかしたら、ハングアップしてしまったりするかもしれない。

そうなると、次男坊の忍耐力がもつのかどうかが気になるところ。

このフィラメント交換での顛末、技術的なことはわからないにしても、父親が夜な夜な悩みつつ、いろんな方策をためしていたことは、次男もわかっている。マシンスペックがぎりぎりなのも話している。あとは、予想されるMacのノロノロ動作に、次男坊が耐えられるかどうか。3Dプリンタもコンピュータもアップデートできた。次は11歳の忍耐力のアップデートになるかもしれない。

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