マガジンのカバー画像

色石のいろいろ

50
色石といいつつ、宝石全般が対象です。宝石について、ちょっとでも触れておいた、わたしのnoteをまとめておきます。
運営しているクリエイター

記事一覧

固定された記事

ジュエリー文化を次世代に。

いままで何度か書いているけど、わたしの職業は宝石の鑑別だ。職業柄、いろんなブランドのジュ…

桂田祐介
3年前
21

宝石関連の寄稿文の宣伝、そのついでにモンタナ州旗のことなど

noteで宣伝するのをすっかり忘れていたのだけど、現在発売中の『宝石の四季』265号に拙文が掲…

桂田祐介
2か月前
9

人生の秋、半世紀は反省機?

五十而知天命。「五十にして天命を知る」と訓読する。 これは孔子の言行録『論語』より、人生…

桂田祐介
4か月前
13

みずみずしいカボション

昨年の後半にセルペンティ75周年を記念するイベントがあったブルガリは、ブランドとしては140…

桂田祐介
6か月前
35

奇想のパール製品たち

昨日公開したエントリで、表参道で開催中の展示会についてもさり気なく触れていた。 先日、原…

桂田祐介
9か月前
28

圧巻のティファニーワンダー展

誕生石シリーズを中断させて以来、noteではこのところ宝石ネタから遠ざかりぎみになっていた。…

桂田祐介
9か月前
32

ウロボロスになったセルペンティ

宝石の鑑別という仕事がら、ハイジュエリーはよく目にしている。ありがたいことにいくつかのジュエリーブランドから企業研修の講師として招かれたりして、そこの製品だけでなく歴史や理念にも触れる機会ができた。いつのまにかそうした直接的な縁があるブランドでなくても関心を持つようになった。 宝飾店ブランドはデパートのなかに入っていたりもするし、銀座なんかには路面店があったりするから、ふらりと立ち寄ることもある。 わたしのような男性のひとり客だと 「贈り物をお探しですか」 と訊かれるのが

本の街を歩いたあとの月夜、蛇紋石の杯に葡萄酒を注ぐ。

秋の読書週間にあわせて始まった神田古本まつり。そして連動して開催される神保町ブックフェス…

桂田祐介
1年前
9

みたびポメラート展へ

ここ数年、ラグジュアリーブランドの展示会が増えている。美術館や博物館でおこなわれるものも…

桂田祐介
1年前
23

宝石の色は壮大なイリュージョンのひとつなのか

一昨年の5月からまる2年間続けた「誕生石のはなし」。これを中断して数ヶ月になる。 2年目…

桂田祐介
1年前
14

誕生石のはなし2年目のまとめ

早いもので「誕生石のはなし」シリーズもまる2年が過ぎた。1年目の12石が終わったところでま…

桂田祐介
1年前
10

コ・イ・ヌールは呪われたダイヤモンドなのか

宝石の代表格ダイヤモンドは、4月の誕生石としてもよく知られている。昨年はタヴェルニエの記…

桂田祐介
1年前
14

その素朴な誕生石は我々を見捨てたりはしない

「Jesus' Blood Never Failed Me Yet(イエスの血は決して私を見捨てたことがない)」というタ…

桂田祐介
1年前
13

かがやく猫の瞳の深淵には・・・

宝石には光学効果とかフェノメナと呼ばれる、光に対する特殊な現象がみられることがある。いままで書いたものでは、オパールの遊色効果とか、スターサファイアのアステリズム(スター効果)なんかがそうだ。 あ、ムーンストーンのアデュラレッセンスもそうか。 そんな光学効果で、いままで書いていない重要なものがある。シャトヤンシー(Chatoyancy)あるいはキャッツアイ(Cat's-eye)効果だ。 ◆ シャトヤンシー(キャッツアイ効果)は宝石の内部で反射した光が一筋の光線に見える