国の経済成長は何によって促進され、何によって阻害されるのか?
今日は、国の経済成長の規定因子についてご説明します。経済成長って、なんだか難しそうに聞こえますが、実は私たちの日常生活にも深く関わっています。このテーマに関して理解度を高めるためにも、基本をおさえておきましょう。
では、どんな要因が国の経済成長を左右するのでしょうか?まだ分かっていないことも多いのですが、経済学者たちの長年の研究から分かってきたこともあります。
経済成長を後押しする5つの要因
1. 教育への投資(人的資本)
まず、教育の力は侮れません。国が教育にお金をかければかけるほど、経済成長の可能性が高まると報告されています。これは、よく訓練された労働力が生産性を高め、イノベーションを促進するからです。例えば、韓国やシンガポールの急速な経済成長は、教育への大規模な投資と密接に関連していると考えられています。
2. インフラ整備(物的資本)
次に、道路、橋、通信網などのインフラ整備も重要です。これらは経済の血管のようなもの。物やサービスがスムーズに流れることで、経済全体が活性化すると言われています。
3. 技術革新(イノベーション)
新しい技術やアイデアも経済成長の大きな原動力です。スマートフォンの登場で、私たちの生活がどれだけ変わったか考えてみてください。そう、技術革新は新しい産業を生み出し、経済を大きく前進させます。
4. 国際貿易への積極性(貿易開放度)
貿易に積極的な国ほど、成長が速い傾向にあります。これは、より大きな市場にアクセスでき、競争を通じて効率が高まるからです。日本の高度経済成長期を思い出してみてください。輸出主導の成長戦略が大きな役割を果たしました。
5. 信頼できる制度
最後に、公平な法制度や低い汚職レベルなど、信頼できる制度の存在も重要です。これらは、ビジネスがしやすい環境を作り出し、投資を呼び込むと考えられています 。実際に、ノーベル経済学賞を受賞した、ダロン・アセモグルも「国家はなぜ衰退するのか」の中で、政治的な安定や制度が、経済成長にとっていかに重要か説いています。アメリカとメキシコ、韓国と北朝鮮など国境を接する国間において、経済成長率が大きく異なる理由の一つに、政治が安定していて信頼できるかどうかが重要だとしています。
経済成長を妨げる5つの要因
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