「沖縄慰霊の日」に思ういくつかのこと

今日、第二次世界大戦末期に沖縄諸島に上陸した連合軍と日本軍との間で行われたいわゆる沖縄戦において、日本軍の組織的な抵抗が終了した1945(昭和20)年6月23日から76年目を迎えました。

沖縄慰霊の日となる今日は、新型コロナウイルス感染症への対策を行いながら戦没者追悼式が行われたほか、各地で平和への祈りが捧げられました[1]。

沖縄戦については8月6日の広島への原子爆弾の投下、8月9日の長崎への原子爆弾への投下、そして8月15日の終戦記念日に比べ、全国的には注目の度合いが低いのが実情です。

確かに、人類が初めて経験した原子爆弾の被害や無条件降伏といった出来事が人々に与える印象が大きいとしても不思議ではありません。

また、沖縄県にゆかりのない人の場合、沖縄戦を本土から離れた場所での一連の戦闘と考えるのも無理からぬところかも知れません。

しかし、一つひとつの戦いに戦略的ないし戦術的な軽重はあるとしても、それぞれの戦いに従事した軍人や兵士らの生命に軽重はない点については論を俟ちません。

その意味でも、沖縄慰霊の日といった記念の日を通して沖縄戦への関心や理解を深めることは重要です。

そして、風化せざるを得ない記憶と記録を次の世代に継承するためにも、こうした節目の日の持つ意味は決して小さくないのです。

[1]「忘れない…」 沖縄 慰霊の日 「平和の礎」は祈りに包まれる. NHK NEWS, 2021年6月23日, https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210623/k10013099081000.html (2021年6月23日閲覧).

<Executive Summary>
What Is a Meaning of the 76th Okinawa Memorial Day? (Yusuke Suzumura)

The 23rd June, 2021 is the 76th Okinawa Memorial Day, the end of the Battle of Okinawa. In this occasion we examine a meaning of this memorial day for us and the future generations.

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