政権発足から1年を経た岸田文雄首相は何をなすべきか
昨日、2021年10月4日(月)に第1次岸田文雄内閣が発足してから1年が経ちました。
政権発足から今日に至るまで、ロシアによるウクライナへの侵攻による国際秩序の動揺や原料高、日米の金利差を背景とする円安ドル高の進行、あるいは安倍晋三元首相の遭難に発端するいわゆる「統一教会問題」と、岸田文雄首相を取り巻く環境は内憂外患というべきものです。
こうした状況に対し、少なくとも現時点では岸田内閣が有効な対策を講じ切れていないのは、われわれが日々実感するところです。
例えば、現地時間の9月22日(木)にニューヨーク証券取引所で演説した岸田首相ではあったものの、その内容が世界中の投資家の注目と関心を集め、日本への投資の意欲を高めるものではなかったことは、週明けの東京証券取引所の動向を見るだけでも明らかであったと言えるでしょう。
あるいは「統一教会問題」や安倍氏の国葬儀に関する世論の反発や批判に対しても丁寧に説明する、真摯に向き合うとするものの、例えば国葬については衆参両院の閉会中審査においても従来の主張を繰り返すのみで、野党が示す疑問点について明確な回答を行っていません。また、「統一教会問題」に関しても主体的に対応するのではなく、あたかも世論の関心が薄れるのを待つかのように明朗さを欠く発言を行い続けています。
かねてから「聞く力」を標榜する岸田首相ではあるものの、現時点では聞いた内容への効果的な回答を与える力が不足していることが推察されます。
このような岸田首相の態度は政権に対する国民の信任の度合いを低下させるものに他なりません。
むしろ岸田首相には「聞く力」だけでなく「伝える力」を速やかに発揮することが求められます。
言葉を飾らず、政策本位であることは宏池会の伝統でもあり強みでもあります。
誰よりも宏池会を尊重し、宏池会会長であることを誇る岸田首相だからこそ、今こそ自派の特長に立ち返ることが、本格政権の実現に不可欠なのです。
<Executive Summary>
What Is an Important Attitude for Prime Minister Fumio Kishida to Maintain the Cabinet? (Yusuke Suzumura)
The 4th October, 2022 was the first anniversary of the Fumio Kishida Cabinet which was formed on 4th October 2021. On this occasion we examine an important attitude for Prime Minister Kishida to maintain the cabinet to next years.
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