【参加報告】田中優子先生講演会「国際日本学としての江戸学」
昨日は、16時50分から20時まで、法政大学前総長で名誉教授の田中優子先生による講演会「国際日本学としての江戸学」がオンライン形式で開催され、聴講しました。
この講演会は田中優子先生が今年3月で法政大学を定年退職されたものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により最終講義を行うことが出来なかったため、田中先生が兼担教授を務めていた法政大学大学院国際日本学インスティテュートの2021年度第2回合同演習として行われる講義を大学院生以外のゆかりのある皆さんにも公開し、実質的な最終講義として行われたものでした。
講演では、「国際的な江戸学」を「江戸時代の歴史や文化を、当時の世界状況の中で理解し、意味を捉え直す学問」として定義し、いわゆる地理上の発見によってヨーロッパの人々のアジアへの進出が本格化した15世紀以降の日本と諸外国との関係が、文献や図像資料、さらに着物などの物質資料に基づいて検討されました。
また、講演後の質疑応答では、田中先生の今後の研究活動への意欲や現在取り組んでいる書籍の話題なども紹介されました。
2014年4月から2021年3月まで法政大学総長として教学と経営の二つを牽引しつつ教育と研究活動を継続し、毎年のように著書を上梓するなど、文字通り三面六臂の活躍をされた田中先生の記念すべき講演会が学生だけでなく関係者も対象として開催されたことは、運営に携わった先生方の配慮のたまものであり、こうした機会に参加できたことが実にありがたく思われた、今回の講演会でした。
<Executive Summary>
Special Lecture of Professor Emeritus Yuko Tanaka at Hosei University (Yusuke Suzumura)
Institute of International Japanese Studies of Hosei University Graduate School held a special lecture of Professor Emeritus Yuko Tanaka, the Ex-President of Hosei University, via Zoom on 22nd May 2021. In this time Professor Emeritus Tanaka made a speech entitled "Edo Studies as International Japanese Studies".