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防災と海外tips

災害大国、日本。
その経験や知識を世界の人たちに。
「防災の主流化」が日本の国際協力の一つのアジェンダだ。

これまでの国際協力の指針は、日本が主導してきたと過言ではない。
過去三回の国連防災世界会議(UN world conference on disaster risk reduction)は日本で開催してきた。1994年は、横浜、2005年は、神戸、2015年は、仙台。2015年の会議では、仙台防災枠組2015-2030が採択された。この枠組みが、世界の今の防災に関する国際協力の指針である。(一般的な知名度は低い印象)

https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000071588.pdf


日本の防災の国際協力の実績は、どうなっているのか。OECDのデータによれば、過去5年間のDAC国のうち、日本が約50%のシェアであり、トップドナーであることが分かる。防災について、国際市場では、一定程度の影響力を持っているように推測される。

2017-2022までのODA防災協力支援の割合
(OECD-DAC統計より著者が編集)

どのように国際的な指針は変遷を経たのだろうか。現在の仙台防災枠組を見てみると、前身の兵庫行動枠組から新たに、優先的に取り組むべき事項として「災害リスク削減への投資」「災害からのより良い復興(ビルド・バック・ベター)」が盛り込まれた。また、定量的数値は明記されていないが、グローバル目標が位置づけられている。災害リスク削減への投資(=堤防などのインフラ整備)やビルドバックベター(東北の復興等)といった、日本の経験や知見が反映された内容である。https://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/shaseishin/kasenbunkakai/bunkakai/dai52kai/siryou3-3.pdf

仙台防災枠組みの概要(国交省資料より)

2015年から10年を経過しつつあり、現在でも毎年のように世界中どこかで災害が起こっている。今年はブラジルやベトナムで大規模な洪水が起こった。


災害の脆弱性を示す指標をみると、多くの国で現時点で災害リスクが高いか、現在低くても将来的に災害リスクが高くなることが予測されている。防災は全世界の一つのやるべきアジェンダだ。https://www.undrr.org/media/80490/download?startDownload=20240917

Global assessment report on Disaster Risk Reductionより抜粋

洪水や干ばつ、津波や地震。このよう災害被害を減らしてこそ、人々の安定的な生活や経済成長が見込まれる。その文脈において、国際社会で災害大国である日本の役割は大きい。

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