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『できるだけ感情のないように(あるけど)』を観た(2019/10/9)
現在アーツ千代田3331内にあるアキバタマビ21で開催中の『できるだけ感情のないように(あるけど)』に、大坂秩加さんの新作が展示されているという情報を得て観に行った。
アーツ千代田3331は廃校をリノベーションした建物。廃校の教室である事を活かしてなのか、子ども達が雑談しているようなノイズ混じりの音が流れ、教壇と椅子と机を並べていて、教壇には教務手帳、机には「せんせいあのね…」で初まる日記帳(私の通っていた小学校ではあのね帳と呼んでいた)と筆記具が置いてあり、椅子には作品が載せられていた。
以前観た展示同様、日記帳などの文字も全てシルクスクリーン。
鉛筆のキャップの感じとか、文字の書き慣れてなさとか子ども特有の鉤括弧左右間違いの感じとか、とても懐かしい。鉛筆のあの感じも赤ペンの感じもシルクスクリーンで全て表現できるのか…。
絵の方はレーザープリントにリトグラフを併せたもので、とにかく面白い。
コラージュの様な浮遊感があってグロテスクさが増す作品もあれば美しい作品もある。
配置の仕方も面白い。
日記に綴られた子ども視点の大人の行動や言葉は、子どもらしいあどけなさや世間知らずな態度をとっておきつつも、本当は大人も子どもも変わらない事も、生きる事の切なさも分かっているようなワンシーンの切り取り方。まあ大人が作った作品なんだけれど。
一つだけ別の部屋の水道に破いて置かれていた作品だけが、妙に純粋な願いに感じられた。
架空のようで架空で無いような頭がクラクラする感覚、久々だった。
波能かなみさんの作品と安齋歩見さんの作品もとても良かったので是非にと人にオススメしたい展覧会だった。
場所:アキバタマビ21
期間:2019/9/16〜10/20
料金:無料
※写真撮影可