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『和のあかり×百段階段』を観た(2018/7/24)
2年前から行ってみたくて今年やっと行ってきた。百段階段の夏の風物詩。
あかりを落とした文化財を灯す、日本の色彩、日本のかたち。
『日本の祭り』『アート』『デザイン』『職人』『テクノロジー』というテーマの元に63団体が参加。
会場であり展覧会タイトルにもある百段階段とは、ホテル雅叙園東京の前身である目黒雅叙園3号館の通称であり、7部屋の宴会場を99段の長い階段廊下が繋いでいるのが特徴。 各部屋の天井や欄間は、創立当時の著名な画家達が創り上げたとの事で、展示物以外の装飾も見もの。
展示物も会場入口から早速、涼しげな傘の飾りが期待感を煽る。
土足厳禁という事で裸足で観賞というのもひんやりと気持ち良く、新鮮な気持ちになる。良心的な涼しさ。
そして99段の階段にはこけし
こけし
またこけし
一段一段寝そべるこけしがいらっしゃる。
展示スタイルがアグレッシブ。
そして最初の部屋では入って早々そこはかとなく哀愁。
かと思いきや豪快かつきらびやかでどこか異国情緒も漂う長崎ランタンフェスティバルの部屋。
また別の部屋には雪国の凛とした静けさと温もりを感じる折花と津軽のこぎん刺し。
暗闇に映えるダイナミックな青森ねぶた。
下からの明るい照明で煌めく動物の切り絵。
和紙で作られた蕾で柔らかな雰囲気を醸す照明。
天井から吊るされた風鈴や床に敷かれた水色のタイトルも涼しく一葉式生け花次期家元と風鈴作家さんの作品。上空を泳ぐ龍のよう。
各部屋毎に色々な地域の伝統や灯りの美しさがあった。
『伝統』という言葉に堅苦しさや厳かな場所、自分では場違いでは無かろうかという不安もあったけれど、極めてライトな印象だった。
ねぶた祭の様にダイナミックなものから切り子や組子のように細やかなものまで日本の工芸品の職人技って凄い。
展示物には何故か一コマ漫画やガチャによるぬるいギャグが少し紛れ込んでいて、綺麗なだけでは終わらせないところが北斎漫画や判じ絵のような江戸時代の面白いのに凄い大衆風俗の雰囲気に似ていてとても良かった。
会場:ホテル雅叙園東京
期間:2018年7月7日~9月2日
入場料:1500円
※写真撮影可