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旅|陽の光|2
掛川駅を中心に街を歩いた。目当ての店に足を運び、近くのスーパーでミネラルウォーターを買った。掛川駅から宿がある掛川インターチェンジ付近へと続く緩やかな坂の感触が脚に残る。何気ない風景だ。しかし、水気を多く含んだ空気で身体を満たし、うっすらと差す夕焼けが心に残る。
「さわやか」の「げんこつハンバーグ」。エコパでのサッカー。食とサッカーは僕を幸せにしてくれる。遠藤保仁の技術は健在だ。躍動感は薄いかもしれない。しかし、ボールを淡々と適切な場所へと運ぶ精緻な技を拝むだけでも、この旅の価値を高めてくれる。ジュビロの勝利によって、スタジアムは高揚感に包まれる。その息吹を肌に擦り込み、僕は掛川へと舞い戻る。
煙草の煙が染み込んだ部屋を暗くし、僕はマックへと向かう。スペインとイタリアの熱戦に眼を向け、その日の記憶をキーボードへと投影した。眠りへと落ちそうになりながら、汗で濡れたTシャツを洗面所で洗う。硬く絞った白いTシャツの感触が今でも掌に残っている。