気ままな鑑賞エクササイズ#1 ジョット「東方三博士の礼拝」
1時間でnoteを1記事作る、エクササイズのような鑑賞をやっていこうと思います。記事読むだけでも、時間を測って擬似体験してみても面白いかも。
<ルール>
・以下の作品をまず3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
・その後25分、書籍やネットで作家・作品について調べます。
・さらに3分鑑賞をして、再発見したことを書き出します。
・25分を目標に記事を編集します。
・気ままに不定期で続けます。
ちなみに作品の選定は、今読んでいるこちらの本に出てきたものにします。
では、1作目。まず作品を3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
館賞用画像リンク
・3分の鑑賞で気づいたこと
全体が岩盤の上にありますね。地面に王冠が見えます。画面全体で塗料が剥がれ落ちているところが多くて、もともと一番下の層は青の色なのかな?すごく綺麗な青色ですね。ラピスラズリとか高級な感じがします。
ラクダを見上げてる人の顔が、すごく立体的で力を入れて描いてありますね。ラクダの足がすごく長くて力強い。あと首の下の毛がふわふわってしてる。ラクダの顔が笑ってるのがかわいいですね。
画面中央にいる赤ちゃんが生まれて、左にいるおじさんが挨拶をしに来て、ラクダまで喜んでいるみたいな場面なのかな?空には流れ星みたいな、彗星みたいなのもあって、これも誕生を祝福しているのかな?
全員が岩の上にいるっていうのが印象的かな。画面下の岩の形をよく見ると、全体が舞台みたいになってますね。
後はこの服のシワとかがすごくこだわっているなーっていうのと、屋根のついた建物の奥行きとかも頑張って描いてある感じがしますね。
人間に比べて、ラクダが一番感情が豊かなのが面白いかな。
服のシワが全体的に力入れて描いてあるけれど、でも赤ちゃんを抱いている人のエプロンみたいなところ・・膝にかかってる部分はあんまり丁寧じゃないですね。これは途中なのかな?あと頭の後光みたいなのが差してるのがすごい立体的で、本物の金を使っているのかな?柱に人の顔が透けてるのも、これも途中なのかな?剥落してこういう風になっちゃったのかな?
あ!一番右の人、よく見ると羽がある!
作品・作家について
・作品 「東方三博士の礼拝」 1305-06 フレスコ画
・作者 ジョット・ディ・ボンドーネ
・30分調べたこと
ジョットについて
イタリア プロトルネサンス ルネサンスの先駆者
それまでの伝統的な宗教画と異なり、「人間性」を表現
「世界のビジネスエリートが身につける教養 西洋美術史」より抜粋
チマブーエが師匠 ルネサンスの父 人間らしい感情を初めて表現
後のルネサンスに必要な3つの要素、
「人体把握・空間性・感情表現」を確立した。
「一番親切な西洋美術史」より抜粋
モザイク画が主流のころ、その堅苦しい表現は主題が伝わりこそしますが、見る人が作品の主題を自分事のように感じるのは困難でした。(略)ジョットは絵を現実に近い描写に近づけることで、主題のわかりやすさはそのままに、鑑賞者に共感を抱かせる表現へと飛躍させました。中世美術からの脱却とも言えるこの模索は、ルネサンスの開花に貢献することになります。
「アートのロジックを読み解く 西洋美術の楽しみ方」より抜粋
作品「東方三博士の礼拝」について
東方の三博士(とうほうのさんはかせ)とは、新約聖書に登場し、イエスの誕生時にやってきてこれを拝んだとされる人物。
東方で星を見た彼らは、ヘロデ大王に「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか」と尋る。ヘロデ王は祭司長たちや律法学者たちを集めて問いただすと、彼らはそれがベツレヘムであることが預言書(ミカ書5章1節)に書かれていると答えた。
星が先立って進み、幼子のいる場所の上に止まる。博士たちは家に入り、母マリアと一緒にいた幼子イエスを見て拝み、乳香、没薬、黄金を贈り物としてささげた(この贈り物の数から「三人」とするのが定着した)。
三博士の名は、西洋では7世紀から次のような名が当てられている。
- メルキオール Melchior (黄金。王権の象徴、青年の姿の賢者)
- バルタザール Balthasar (乳香。神性の象徴、壮年の姿の賢者)
- カスパール Casper (没薬。将来の受難である死の象徴、老人の姿の賢者)
ウィキペディア「東方三博士」より抜粋
繰り返し描かれる画題だが、この作品のように星を力強く尾を引く火の玉として表した画家はいない。この星は1301年9月に出現したハレー彗星ではないかといわれている。
「週刊美術館45 ジョット フラ・アンジェリコ」参照
調べた後の鑑賞で考えたこと
作者のジョットについては、感情表現が豊か、人間的だというのが一般的な評価みたいだけれども、この絵ではそこまで大きな感情変化が描かれているわけじゃないなという印象を受けました。「しみじみ」感じているというような形なんでしょうか。
今の私たちが思う感情表現よりは、だいぶ控えめというか、それまでの感情表現がそれ以上にものすごく厳格に規制されていたのかなという風に思いました。もしかしたら、人間の感情表現をまだそこまで大きく出すのが憚られたから、その代わりにラクダがこんなに笑っているのかな?なんていう風にも思いました。
星が印象的だったんですが、彗星だったんだ!とか、これはこの人たちを導いてきたんだなあというふうに思ったり、三博士と言われていて、この左側の後光が差している3人かなぁと思うのですが、一人白いマントの方は女性なのかなという風に改めて見て思いました。
また、彼らが持ってきたものは左の2人が手にしている、象牙みたいなものと、蓋を開けた壺、そして一番右の天使の人が持っているものが貢物なのか・・それとも下に置いてある王冠がそうなのかなあ?どうなんだろう、どれが持ってきたものなんだろうかと思いました。
(後でよく見ると、左の2人は王冠をかぶっていて、真ん中の1人は王冠をかぶっていない=挨拶するために王冠を地面に置いている。と考えられるので、やっぱり右端の天使が持っているものが贈り物かなと思いました。ただ、、乳香、没薬、黄金がどれだどれなのかまでは、わからないな。。)
あなたにはどう見えましたか?
また次回!