これからも生きてゆきます雨の跡あと、何処にでも在るような空
七日半ほどの鮮やかなる旅路セミの抜け殻からからころん
この国の青のすべてを光らせて夏ごうごうと燃ゆる灯火
また今日が来たのよ 変なサムネイル ざくろの花がはにかんでいる 二階から手をふるつよく柔らかくやさしいものに成れたでしょうか 肩の荷を降ろして森をひとめぐり蜂蜜色の五月 ただいま 止め処なくあなたを愛していることを歌にしました。それが地球です はりついた面を剥がして月迎ふ とうとうたらり たらりら あがり 回帰。ありがとう。
そういえば地球はこんな色だって おはよう だれか言ってた おはよう 唐突なきみの懺悔におどろいて雲雀飛びたつ高く高く ぱちぱちと何かはじける音がする水銀の国 もうすこしだけ サンセットブルーム淡い夢のあと宵の口へと飛び入るカエル 本日も、ゆるやかに。
移りゆくもののすべてをゆるそうよ樹海のなみだ何度も拭う うらないも空も当てにはならないな睫毛にずっと絡まる湿気 美しい死がうたた寝をしてる間にエンドロールの底をいきぬく あの海の螺旋階段駆け降りてきみの宝物へと傘をさす
薄墨の世にじんわりと色付いてよひらはじまり終わりもよひら 染みついた共生感とブランケット咥えたままの獣のねむり 不器用なアイスクリームいとをかし どんな時代に齧りついても 日も星も遠くで燃える小満の今生一夜を照らす灯火 今日も生きた!すばらし!
ねむいのにぜんぜんねむれませんでした後書きめいた水溜り踏む ころさずに済む日常がここにあり古戦場へとふる雉の声 まっすぐに走って走って梅雨の空ひた隠せない熱をささげる カーテンを閉め忘れてた 彼方から集まってくる夜のはばたき 今日もゆるり。ねむる。
雨音はねむいふつうにねむいのに泥にまみれる命たのしい ほんとうの魔法みたいにどうでもいいトコで咲いてるうどんげの花 方々の火の手消してもまだ止まぬあくびこぽこぽ珈琲淹れる ひとときの銀色時間わけあって紫陽花通りぷらぷら歩く 今日もゆるゆる。すばらし!
さわがしいカラスとつつく朝食は累卵ぜんぶ割ったオムレツ 水を飲むたびに薄れるあの日々とたまにべったり張りつくあの日 逆さまの傘をどれだけ満たしてもクロワッサンは欠けてゆくので するするとお安い未来を選びとる指紋ひとつを正体として まあゆるゆると。すばらし。
レントゲン室に寝そべるぶあつくて重たい雲をつらぬくひかり よくなるとおうむ返しによくなると薄い呪いを重ね合わせる とこしなえ紛いの石になれるようわれらにかかる星の重力 明日飲むために煮出したアイスティーそういうものをたくさんたくさん
鉢底に蛇の子どもをねむらせて白さをうたう大輪のバラ しゅうまつのリズムで狂う管制塔 賄賂にブドウ糖はどうです? 霧雨を 洗礼じゃない霧雨を身に受けながら青じそを摘む しずけさを遠いところへ追いやって海を知らない声かえる雨
にわとりの胸の辺りのふわふわを揺さぶりながら朝日がのぼる セルリアンブルーの窓という窓がパスカルの名に圧しつぶされて 脈動と連動しないコンディションQにはどうかAよりKを やさしさを五臓六腑にくれてやる ふう 地球にもほんのり返す 今日も生きた!えらい!
ねむってるあいだの針と辻褄を合わせるように糸がほどける だれかしらずっとだれかを呼んでいる森にふるふるパンくずの雨 日が伸びてうんと遠くの街までもオレンジ色のねこの縄張り ひたひたと身体が夏になってゆく過程で脱いだ綿のくつした
まっくろで得体の知れた塊が始終わたしを圧えてくれる 体質といえばそれまで気の毒な血をカフェインの毒で薄める すっきりと晴れない空にまき散らす強炭酸のれもんいぇろう あまりにも蛙が鳴いていることに救われながら放り出す家事 もうぜんぶ明日やろ。
くるぶしのよわさ伝染するよわさ牛乳瓶を空っぽにする 太陽も月も不在の白昼へ濁点ばかりつけ足すカラス 画面スクロールで酔うし未読スルー さて身に覚えありすぎる余波 何だって欲しいけど今ポケットのない服だから何もいらない