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可愛いお稲荷さんと地質色々【ジオ散歩vol.3:福島県いわき市No.1-2】

「市街地を実際に散歩しながら地形・地質を楽しむ」シリーズ、ジオ散歩。
今回は福島県いわき市の南東部を散歩します。

前回記事はコチラ👇

場所の再確認

いわき市は福島県の南東部に位置します(下図赤丸)。

いわき市位置図:スーパー地形画像に筆者一部加筆

スーパー地形(カシミール3D)より抜粋した画像をもとに筆者作成。 なおカシミール3Dは元データとして国土地理院の「電子国土」を使っているそうです(出典:国土地理院ウェブサイト) ※トップ画像や以下の地形・地図画像すべて引用もとは同じです。

豊間地区位置図:スーパー地形画像に筆者一部加筆

今回の散歩の舞台はいわき市南東沿岸部の豊間地区です。

可愛いお稲荷さん

豊間地区に入り、薄磯公園へ向かう途中で気になる鳥居を発見!

金倉稲荷神社入り口:筆者撮影

金倉稲荷神社(かねくらいなりじんじゃ)と言うらしい。
しかも奥には真っ赤な鳥居の連なりが!!
これはメッチャ気になりますよね。

神社位置図:スーパー地形画像に筆者一部加筆

場所はうすいそ公園から南南西に約300mの谷あいです。

金倉稲荷神社入り口②:筆者撮影

立派なお稲荷さんがお出迎え。

金倉稲荷神社:筆者撮影

この鳥居の1つ1つは氏子さんの寄贈のようです(※裏に名前が書いてありました)。綺麗ですよね。

金倉稲荷神社②:筆者撮影

参道は途中から、このように狭くてガッチリとした階段になります。

金倉稲荷神社③:筆者撮影

階段を登った先には、こんなに可愛いお稲荷さんが祀ってありました。

金倉稲荷神社④:筆者撮影

社もあります。

金倉稲荷神社⑤:筆者撮影

入り口には鳥居とお稲荷さん。
階段が急で正面からは撮りづらく、横からの撮影でした(;^_^A

地質色々

ここまで「ジオじゃない!」と思った人もいるでしょう(笑)
でもキチンと見てきました。この神社の土台となる地質を!

金倉稲荷神社付近の道路沿いの露頭:筆者撮影

金倉稲荷神社のすぐ近くの道路沿いに岩盤が露出していました。
横方向にスジが見えますね。
これはおそらく層理または葉理でしょう。と言うことは堆積岩でしょうか?

豊間地区地質図:スーパー地形アプリ上でシームレス地質図V2を表示

地質は新第三紀中新世の前期(約2000万~1500万年前)の海に堆積した砂岩です(上図の黄色)。

金倉稲荷神社付近の道路沿いの露頭②:筆者撮影

やはり平行に葉理構造が発達しています。

金倉稲荷神社付近の道路沿いの露頭③:筆者撮影

おや?地層がズレていますね。断層でしょうか?
でも明らかな「割れ目」はありませんよね。

金倉稲荷神社付近の道路沿いの露頭④:筆者撮影

この層は白っぽいので凝灰岩でしょうか。
アップで見ると、左の方の白い層の上面が乱れたかたちになっていますね。
上の黒い層(砂岩?)の中に不定形な白いツブがいくつか見えます。
これは偽礫(ぎれき)と言い、まだ水分を含んで軟らかい状態の地層の上に別の堆積物が溜まる時に、下の軟らかい層の一部を削って取り込んだものです。
つまり白い層が軟らかいうちに黒い層が上に載りました
その際に上の層の重みで下の層が変形することがあり、左の「乱れたかたち」や右の「切れて段差になったかたち」は、その影響と考えられます。

そして、もう1つ面白いものを見つけました。

金倉稲荷神社付近の道路沿いの露頭⑤:筆者撮影

丸っこいものが埋まっているように見えますよね。
でも見た目は「丸っこいもの」も周囲も同質に見えます。
これはおそらくノジュール(もしくはコンクリ-ション)だと考えられます。ここの砂岩は海に溜まった地層なので、当然、何かしらの化石が入っているでしょう。
その化石からカルシウム分等が周囲に染み出し、その染み出した範囲が硬くなってできるのがノジュールです。ここの部分だけ周囲より硬いので、差別侵食でこのようなカタチになったのですね。
道路沿いなのでハンマーで叩くことはしませんでしたが、カチンコチンに硬いハズです。

ノジュールまたはコンクリ-ションについては以下の過去記事をどうぞ👇

今回は以上です。
お読みいただき、ありがとうございました。


次のジオ散歩はコチラ👇


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