ゴツゴツ山探検記part1:台地のようなそうじゃないような?:岩手県北東部山間・高山地域【ひたすら地形を見るvol.1】
岩手県北東部の山間&高山地域。
前回、地形と地質について見ていくうちに気になったゴツゴツした山地。
さて今回は、ひたすらゴツゴツ山の地形を見ていきます!
ゴツゴツ山はどこ?
前回紹介した岩手県北東部山間&高山地域の、中心よりやや東にあります。
右側の点線で囲った範囲です!
けっこうな上空からの眺めですが、それでもゴツゴツ度合いが分かります。
場所は岩泉町北東部の市町村境付近。
近くに国道が通っていない山深い場所です。県道7号線が横を通っています。
ゴツゴツ山の詳細は?
ということで、アップで見ていきましょう。
南北に細長いので、まずは南をもっと拡大します!
周囲が急斜面で真ん中は緩やかな雰囲気の山が3つ。台地でしょうか?
さらに近づきましょう!!
南の2つの山をアップにしました。
山頂付近はややデコボコですが、台地状の地形ですね。
南側の山をさらにズームイン!
なるほど・・「まったいら」というワケではないですが、滑らかな緩い傾斜ですね。周囲が急斜面なので山頂付近の緩傾斜が際立ちます。
3Dです。
こうやって見ると、多少モコモコしながらも、山頂付近は平坦に見えます。
周囲は急斜面ですから、まさに台地ですよね。
今度は少し上空に上がり、さきほどの左手側に回り込んでみました。
背後はなかなかの急斜面で、しかも滑らかな平板状の斜面です。そしてさらに背後のとんがった山の左手側の同じような平滑な急斜面!
さらに背後に回り込んでみました。
左手側に、北隣の台地状の山が見えてきました。妙にゴツゴツ、モコモコしていますね(笑)
うわ・・・スゴイ!
随分と凹凸の激しいゴツゴツ地形ですね。
それにしても周囲は急斜面で、見事な台地状のカタチをしています。
空中写真をかぶせてみました。
急斜面部分は緑が少なく岩肌が見えています。現地で見ると迫力がある岩山なのでしょうね。
断面図を見てみよう
台地のような山容ですが、山頂部はやけにモコモコと凹凸があります。
もう少しイメージしやすいように、断面図も見てみましょう。
まずは南側の山。こんな感じでスパッと切ってみます。
お!イメージしやすいですね。
山頂は多少の凹凸はありますが、山全体で見れば台地と言って良いかも?
今度は北側の山。こんな感じでズバッとぶった切ります。
これも似た雰囲気ですね。
山頂に凹凸はありますが、台地と言われれば台地?って雰囲気の山ですね。
オマケとして・・。
南の山の背後のトンガリ山が気になるので、切ってみます。
右側が南の様です。
それにしても、とんがってますね!!
特に真ん中の斜面は45度くらい角度がありそうです。
地質は?
やはり変な地形には地質が関係しているものです。
さっそく、地質図を見てみましょう。
この範囲のままで「シームレス地質図V2」をかぶせます。
色合いは違いますが、前回紹介した地質調査所(産業総合研究所の前身)の地質図をベースに最新の知見を加えたものです。
中央に表示される凡例を非表示にできなく見にくいですが、地形と同時に見たい場合はコチラの方が良いですね。
鮮やかな青色で塗られているのが石灰岩です。
付加体と書いてありますね。
以前も紹介した通り、古生代ペルム紀~中生代ジュラ紀の石灰岩です。
約2億9900万年前~1億4550万年前もの大昔に南の海で育ったサンゴ礁がもとになってつくられた地層です。
そう、この山々のカタチはカルスト台地だったのですね。
石灰岩は硬いのですが水に溶けやすい性質があるため、特有の地形をつくり出します。
その1つがカルスト台地です。
さらにもっと引いて見ると、石灰岩はこんなに細長くのびています!
ってことは??
やはり、さらに北まで台地がのびています!
そういえば石灰岩なのに秋吉台のような穴ぼこは見えませんでしたね・・。
まだまだ気になるので詳しく見ていきましょう!!
と言いたいところですが、長くなりましたので次回に続きます。
お読みいただき、ありがとうございました。