崖の向こうに何がある?:茨城県北西部山間地域【地元再発見の小旅行vol.28】
茨城県の北西部山間地域には2条(じょう:断層の単位)の断層が並行し、幅約3kmの断層破砕帯をつくっているという珍しい地域です。
そしてその西には約1500万年前に噴火した海底火山の地層が長い「崖」をつくっています。今回はその崖にまつわるお話です。
場所は?
再確認しましょう。
茨城県は関東地方の北東部に位置しています。
北西部山間地域は上図の③地域です。
今回は大子町・常陸大宮市・常陸太田市の市町村境付近です。
地形を見る
ではさっそく行ってみましょう!
北西ー南南東方向のまっすぐな地形が画像の右側に2本並んでいます。
棚倉断層です。
この西側(西縁断層)沿いに流れているのが山田川(やまだがわ)、西を南北に流れていてけっこう蛇行している川は久慈川(くじがわ)です。
(※いつものように、いちいち確認しなくても地名や読み方が分かっているので書くのが楽です笑)
これら両河川のちょうど真ん中あたりに、やはり北北西ー南南東方向に崖がのびているんですが、見えるでしょうか?
この縮尺で平面図だと分かりにくいかもしれません。
だいたいこんな感じです。
このくらいの縮尺だと崖が見えてきませんか?
こんな感じです。
ちなみに右の赤丸は周囲で一番高い山、男体山(なんたいさん)です。
日光の男体山と区別するために奥久慈男体山と呼ばれたりします。このあたりは久慈川の上流地域なので奥久慈(おくくじ)と呼ばれる地域なのです。
そしてその左の赤丸は長福山(ちょうふくさん)で、海底火山のメイン火口だと言われています。
3Dで見る!
では3D画像で崖を見てみましょう。
どうでしょう?
画像の左上から右下にのびる崖、見えますか?
その真ん中あたりが男体山、その左が長福山です。
こんな感じです。
奥久慈男体山の標高は653.8mでそこまで高くないこともあり、こうやって見ると迫力はイマイチかも知れません(;^_^A
でも現地で見ると崖が立ちはだかっている感じはインパクトが強いです。
そして崖の向こうには何があるのだろう?
とロマンを掻き立てられるような、迫力のある風景なのです。
そして東側も、実はわりと崖なのです(;^_^A
西ほどじゃないけど、断層の影響と考えられる崖が続いています。
こんな感じです。
西の崖ほどじゃないにしても、こっちも急斜面。
昔から人の足が入りにくい場所でした。
学生時代に、この地域を知りたいと郷土の歴史がテーマの本を買って読んだのですが、この地域は以前から「馬脚通し難し」という難所だったと。
確かに、3Dで見ると険しいですよね。
中を流れる川沿いも渓谷で険しい。
私も歩きましたが、滝が多くてだいぶ険しかったです(;^_^A
そうそう、険しいと言えば、少し下流の竜神川(りゅうじんがわ)にはダムが建設されていて、その上に観光地用の吊り橋があります。
春先は、その吊り橋に鯉のぼりを掛けるということで有名な「竜神大吊り橋」という観光地があります。
是非、遊びに行って見てください♬
なんだかウェブサイトがすんごい立派になった(笑)
是非、見てみてください!
そして話を戻します・・。
崖と崖の間に、とある集落があります。
安寺で「あでら」と呼びます。(図の赤丸)
今でこそ、すぐ東を国道が通っていますが、現在ですら最短距離で道路が出来ていない・・つまり地形が険しいんです。
何でこんなところに集落が?と誰しも思うでしょうが
ここは実は、平家の落人が発祥の集落なのだそうです。つまり「隠れ里」だったのでしょう。そいう考えると頷けます。
そしてこの地は長いこと外界と隔離して過ごしていたせいで、独自の安寺文字(あでらもじ)という絵文字が伝わっていたのだとか!
これ、上述の本に書いてあったのですが、今ネットで検索しても出て来ません(;^_^A
何せ学生時代の本なのでどこかにしまい忘れて今は手元にないので、そのうち見つかったらお披露目します。
アクセス
車がないとなかなか行けない場所です。
この国道461号線が折れ曲がる場所の北西部・・・
そもそも、アクセス道が林道だったりするので、かなりレアですよね(;^_^A
東京に近い、関東の北東部の茨城には、実はこんな「秘境」があるのです。
みなさんも興味が湧きましたら、是非、奥久慈へ!
以上、お読みいただきありがとうございました。
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