段々畑とヒミツの抜け道??:中央北部中山間地域【ふるさと探訪vol.1】
鳥取県中央北部の中山間地域に広がる溶岩台地。でもその上面は風化と浸食が進み、谷が入り組んだ迷路のような地形でした(関連記事はコチラ)。
その中にはひときわ目立つ平坦地があり、気になるので詳しく見てみたいと思います。
まるで迷路の中のオアシス?
以下の地形図を見てください!
複雑に入り組んだ迷路のような谷地形の中に、ポツンと広がる平坦な地形。
右上の赤丸はいかにも人工的な平坦地で果樹園ですが、左のイルカのようなかたちの地域は昔ながらの農村といった雰囲気。
水田が広がり、絹見と引地という集落があります。
そして北西の台地の上には筒地と言う集落があるのですね。
地形図では青谷町絹見と太文字で書いてますので、これからはこの平坦地を青谷町絹見地区と呼ぶことにします。
こうやって見ると、平地の先端がボトルネックになっていますね。
周囲の地形が溶岩台地で細かい谷地形なのと比較しても異質です。
いったい、この地に何があったのでしょう?
地質を見てみる
はい。だいたいこんな時は地質が関係しているものです。
5万分の1を使いたかったのですが、またしても境界・・。
小さいですが20万分の1にしました。
赤丸で図示した場所です。白色でaと書いてあるので沖積層です。つまり約1万年前以降に堆積した砂や泥。河川または湖沼などの堆積物です。
なぜこんなところに?と思いましたが、すぐに気が付きました。
この場所、ほぼ同時代の溶岩に挟まれていますね。
紫色と茶色網掛けはどちらも第四紀更新世・・つまり約258万年前~1万年前(※年代については産業総合研究所のシームレス地質図V2を参照)の溶岩類です。
日光でも別々の溶岩に挟まれて堰き止められて出来た湖沼がたくさんありましたよね。この集落の平地もかつては堰止湖だったのかも知れません。
確かに平地の先端部分はいかにも堰き止められたと言った雰囲気ですね。
川の流れが蛇行し、いかにもムリヤリ流れている感じ。そしてナメ滝になっていそうな雰囲気ですよね。
そして3Dです。これはイイ感じの眺めですね!!
青谷町絹見地区の平地と手前の谷(長和瀬川)の落差を見ると、やはり堰き止められ感が分かりやすいですね(笑)
ここは今でこそ道路が通ってますが、昔であれば秘境的な集落だったのではないでしょうか?
青谷町絹見地区のもう1つの魅力
地形図を見ながら、もう1点気になっていたところがあります。
それは細長い谷地形を利用した棚田もしくは段々畑です。
赤で囲った場所です。
これを空中写真で見るとどうなのでしょうか?
おおおお!綺麗ですね!まだまだ現役で食料生産してるみたいですね!!
3Dです!
この段々を登りながらの農作業、大変ですよね(;'∀')
でも景色は綺麗です!!
気になる抜け道???
そしてもう1つ、この地域には気になる場所があるんです。
それは、コレ!!
え?何??ですよね(;^_^A
でも、言われれば「おお!」ってなると思いますよ♪
これです!
この矢印の先には筒地という集落があるのですが、今でこそ道路が通じてるのでこんな感じですが、自然の地形の状態を考えると、上の赤点線の谷を道として通りますよね。
このハイキングコースで筒地に行くのも楽しそうです!
ちなみに、このような細長い谷地形を通って行くところだから、筒地って地名になったのではないか??と思うのですが・・。
残念ながら、検索した限りでは分かりませんでした。
いずれ、ここへ実際に行ってみて地元の人に聞いてみたい!!
またしても、行ってみたいところが増えてしまいました(笑)
お読みいただき、ありがとうございました。
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