それほど時間は残っていない
年をとるのは楽しいという人がいるけど、どうなんだろう?たしかに年をとるにつれ人はあるていど成熟する。経験値も増えていくし、青臭いしくじりをしなくて済むようになる。これはイイことだ。
一方で、外見の劣化を気に病む人も多そうだ。ただし、ぼくはそういうのは気にしないので関係ない。
ならば年をとるが楽しいかというと全然そんなことはない。年々時間のスピードが上がり、あっという間に人生の終わりに近づいていく感じがなんともいえずイヤだ。
このところ、BS-TBSの『報道1930』という番組をよく見ているんだけど、2月4日に自民党の佐藤正久さんが出演していた。陸自出身のいわゆる「ヒゲの隊長」だ。
ところで、どーでもいいけど現在、水際(みずぎわ)対策を担当しているのは、山際(やまぎわ)大臣なんですね。「水際がキビシイ」と山際さんが言っていますね。
それはともかく、番組の中で、佐藤さんが番組キャスターの松原耕二さんに向かって「わたしは61歳ですが、松原さんもおなじ61歳ですよね」と発言し、松原キャスターが苦笑しながら「ええ」と答えるシーンがあった。
ぼくが佐藤さんについて覚えているのは、尖閣諸島がさわがしくなった2012年に防衛に関する本を出していたことだ。あれが10年前だから、当時佐藤さんも松原キャスターも51歳だったわけだ。いまのぼくより年下である。それがあっという間に還暦を越えてしまった。
かれらももう還暦なんだなあ
などと他人事みたいにながめていたら、ぼくだってあっという間に還暦になってしまう。他人事ではない。
当時「尖閣を買う」とおおさわぎしていた石原慎太郎さんはすでに亡くなった。
稲川淳二さんが「還暦になっちゃいましたよ~」といって赤いちゃんちゃんこを来て舞台に登場したのがついこのあいだのような気がするけど、彼もすでに74歳だ。あのときぼくはまだ30代だった。
のんびりしていたらこっちが「還暦になっちゃいましたよ~」になってしまう。時(とき)の速さに慄然とする。
しかし、その流れを止めることは誰にもできない。ならばどうすればいいかというと悔いの残らないようにするしかない。やりたいことを最優先でやっていく。
もうそれほどたくさんのことをやれる時間は残っていない。やらねばならないことに最優先で手を付けなければならない。仕事なんか放りだしてそちらへ向かう。
「仕事なんか放りだして・・」って食えなくなるじゃないかと思われるかもしれないが、ぼくは今、仕事を放りだすための工夫をやっているところだ。
もちろん、たまには映画を観たりゲームをやったり、息抜きもやるが、おおむね一点集中でやっていく。すくなくとも還暦までは全力疾走する。いまそういう方法へ大きく舵を切っているところだ。
それ以外に、悔いを残さないようにする方法をおもいつくことができない。同年代の人、それほど時間は残ってないですよ。