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【受賞報告】ゆるクラがグッドデザイン賞を受賞しました!

2024年度グッドデザイン賞を受賞!

学校に行っていない子どもたちに、オンラインゲーム「マインクラフト」を通じてオンライン上の居場所をつくる「ゆるクラ」の試みが2024年度グッドデザイン賞を受賞しました!

グッドデザイン賞とは、1957年から続く総合的なデザイン評価・推奨の仕組みです。デザインといっても広義のデザインで、商品や建築物だけでなく仕組みや取り組みなど無形のものも、その評価対象となります。

今回ゆるクラは、3つのデザインを行ったことをポイントとして、評価を頂きました!

  • 接点デザイン:リアルな場に頼らない、支援する側・される側双方にとってハードルが低いオンラインモデル

  • 体験デザイン:ゲームという子どもたちの「好き」を起点に人と繋がることができる体験設計

  • コミュニティデザイン:福祉団体だけでなく、ゲーマーの世界からもユニークな力を集めたチーム編成

↓ゆるクラ受賞ページです!

せっかくの機会なので、ゆるクラが何を目指して、どんなことをしているのかを、改めてこのnoteでお話させてください!


ゆるクラはこんなコミュニティ

ゆるクラは、人との対面や外出に対して心理的ハードルを抱えた不登校生が、楽しく参加できるようデザインされた支援コミュニティです。家にいるままゲーム「マインクラフト」を一緒に遊ぶことで、子どもたちは人との繋がりを得ます。福祉とゲームの世界を横断するチームで臨み、子どもたちが人や社会とかかわる「はじめの一歩」をつくりました。

ゆるクラに参加するとき、子どもたちは家からSwitchやタブレット、PCでマインクラフトをプレイしながら、コーチや支援団体スタッフ、ほかの子どもたちと通話やチャットで繋がって同じ時間を楽しみます。

ゆるクラのもう1つの特徴は、複数の団体・人が共同で行うプロジェクトであること。福祉の世界からだけでなく、ゲームの世界からも楽しい力を貸して頂いています!

  • 不登校支援団体:一般社団法人チョイふる、NPO法人ハロハロラボ、manaco、ワオフル株式会社
    →子どもたちとのプレイ会の運営・マネジメント

  • マイクラコーチ:山梨大マイクラサークル、横国大浜Gamesマイクラ支部、山口大学マイクラサークル、愛知大学マイクラサークル
    →コーチとして子どもたちとマイクラをプレイ

  • マイクラ配信YouTuber:ぺんと(コードアドベンチャーオンライン校講師)、ぷちぷち・ひなこ(UUUM)
    →イベント出演という形でご協力

福祉の世界とゲームの世界の融合が、とても良いハーモニーを生み出してくれています。

ゆるクラが生まれた背景

ゆるクラが生まれた背景にあったのは、不登校の子どもたちの「孤立」という問題でした。日本の不登校の小・中学生は約30万人。この10年で約2.5倍に増えていて、みんなを孤立させないための居場所の拡充が急務です。

ですが、最前線で活動する支援団体に話を聞くと、実は「用意した居場所に来れない子どもが多い」という共通する悩みを抱えていました。人とのかかわりの中で傷を負った子にとって「外に出て人と対面すること」は大きな心理的負荷が伴うものだったのです。

子どもの孤立を防ぐため、私たちは「参加ハードルの低さ」に特化した支援のあり方を考えることにしました。その際に着眼したのが「オンラインでゲーム友達を作り、コミュニティを形成する」というゲーマー文化圏の行動様式でした。

人と繋がることに、リアルな場は不要かもしれない。そう考え構想したのが「ゆるクラ」です。オンラインで家から出ずに参加可能な、マインクラフトで楽しく繋がる支援コミュニティの社会実装に、私たちは乗り出しました。

ゆるクラが実現した経緯とその成果

ゆるクラは、増える不登校生たちを明るく包む生態系を、社会に生み出す実証研究でもありました。”福祉の世界”から4つの不登校支援団体が参画しただけでなく、”ゲーマーの世界”からもユニークな力を貸してもらいました。まずは子どもたちにマイクラを教える、マイクラサークルの「大学生コーチ」。4つの大学のサークルが参画しました。そして子どもたちをワクワクさせるプロである「ゲーム実況YouTuber」たちにイベントに出演してもらいました。

数えてみると、ゆるクラに力を貸してくれている組織はたくさんあります。4つの不登校支援団体が参画し、4つのマイクラサークルから大学生コーチが参加、マイクラ配信YouTuberさんたちとその所属企業の皆さん・・・普段は別々の活動をされている皆さんが、ひとつのチームとして活動していることを、とても嬉しく思います。

普段は週1回、少人数でコーチや支援スタッフと遊び、時々大集合して盛り上がる。期間中、初めは発話しなかった子がコーチや友達とお喋りするようになったり、親御さんからも「家族以外との関わりが嬉しい」「家庭でも会話が増えた」と嬉しい声を頂きました。ゆるクラ期間後、フリースクールなど新たな場に踏み出した子もいて、彼らの「はじめの一歩」となる役割を果たしました。

数字で見るゆるクラ実績

チームごとの週1プレイ会は合計42回開催。18人の子どもたちが継続参加しました。また、4チーム合同でYouTuberさんたちと遊ぶイベントはこれまでに3回実施しています。

ゆるクラの今後の展望

「居場所に行けない不登校生」の存在を知ってから約1年半ほどの構想期間を経て、2023年はじめに仲間集めを開始しました。それからは様々な領域から心強い仲間に集まって頂いて、同年9月(不登校が増える夏休み明け)に「ゆるクラ」がスタートしました。

私たちは、ひとつの事業者として自分たちを捉えるのではなく、さまざまな立場の人が肩を組む“実証研究チーム”として新たな挑戦をし、そこで得た知見をほかの活動団体や人々とシェアしていくことを目指しています。今回の受賞を皮切りに繋がりを増やし、「ゆるクラ」がもつインパクトを最大化していきたいです。

これからも、ゆるクラとゆるクラの作り出す明るくあたたかなコミュニティの応援を、よろしくお願いします!

<問い合わせ先>
ゆるクラ運営事務局
yurucraft.contact@gmail.com


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