縁をつなげていくことから…藤田嗣治と現代作家展
4月のGW前半の3日間、藤田嗣治と12人の現代作家による展覧会がGallery Aoyama Iyasakaにて、開催されました。小さな作品が集まるかわいい展覧会でしたが、多様な経歴と手法を持つ個性が縁あって集まり、それぞれが夜空の星々のようなきらめきを放っていました。
今更ながら個々の作品への所感
それぞれ個性が際立っていて見ていて楽しい作品ばかりでした。感想を書きながら記憶の中で反芻する時間も幸せなものですね。
○樫内あずみ/アクリル insta @kashiuchi_azumi
何に見える?オリエンタルな色合いと不思議な形の抽象画。目、宝石、天窓、宇宙??・・人間の想像力を掻き立てる不思議な絵でした。
○荻原久代/油彩 insta @ hisayo_ogiwara
第八回星野珈琲店絵画コンテストで優秀賞を受賞した「時のかけら」の習作のような作品。油絵なのにメリーゴーラウンドの光の粒や風を感じる軽やかさ。
○ひら子/切り絵 insta @naka_hirako2
切り絵なのに、まるで手で書いたのかと思われるような自由な線が生み出す、猫の生命と意思を感じる作品。かっこいい。
○タンタン/切り絵 insta @kirierium
きらびやかなちょうちょたちが舞い上がる。ちょうちょは異世界につなぐ橋渡しと聞いたことがあるがそんなことを思わせるオリエンタルな雰囲気。
○WATAMAKO/色鉛筆 insta @watamako3
かっこいい、こんなポスターが家にあってもいいなと思う、鮮やかさ、軽やかさがある色と構図。バルセロナで描かれていると聞いて、なんか納得。
○みこ/色鉛筆 insta @miko_artdesign
ブラウンの紙に鉛筆書きの優しさが、小さい頃かいた絵の心の世界を思いだす。女の子の顔が見えないので、それがすごく気になっちゃう作品。
○しんじえりこ/切り絵 insta @erikoshinji
パンの気泡を切り絵で再現してしまうなんて。パンは勝手に空気で膨らむけど、切り絵は少しずつ削りながら穴を作るそう。不思議な気持ちで眺めてしまう。
○真野明日人/彫刻 insta @manoworks
展覧会中、会場を見守ってくれていたおしゃかさま。木工だからの実体感。いつもありがとう、と声をかけたくなるかわいらしさ。
○やまゆりの/アクリル insta @yama_yurino
小鳥達のドールハウスでは、小鳥がペットの猫を抱っこしていて、お父さん鳥はワインを楽しんでいる。夢だから描ける夢色の世界。一緒に遊びたい。
○新城梨乃/アクリル insta @artistrino
ストレートなピンクが、愛と可愛さを何の衒いもなく伝えてくる。デジタルっぽい線がそっとメッセージを放つ、心地よくも、おしゃれな作品。
○幸温望/アクリルガッシュ insta @yukiatsu_nozomi
支持体にこだわったという藤田画伯を思い、現代風に支持体をこだわったという作品。ユーモラスなお米の魂が息を吹き返している、個性ある作品。
○yui/透明水彩 insta @yyyyyui.k
安心する猫の毛の軟からさ、喉の奥でごろごろと鳴らす音の心地よさが伝わってくる癒される作品。
○藤田嗣治
個人所蔵となるデッサン。裏にはメッセージも入っているとか。子供の不思議な無邪気さと、小さな手足のリアルさのバランスが惹きつけられた。
各作家の詳細なプロフィールは、MIKAZUKI ARTのサイトをご覧ください。
ゆっくりとした時間が与えてくれるもの
小さなカフェギャラリーならではのコミュニケーションのしやすさ。女性作家が多かったというのもあるのか、作家同士もおしゃべりに花が咲きます。技法のこと、普段の生活、これからの計画等。作家さんは、よい意味でとても孤独な世界を持っていているからこそ、こういった交流の場所、時間をとても楽しんでいるようでした。こういったイベントを通して仲間になって協力し合い、刺激しあい、成長していく環境を提供することもこの企画展の目指していことでした。
お客様にとっても、作家さんとお話することで「アートは今まさに人間によって生み出されているものである」ということ、自分と地続きの世界にあることをリアルに体験いただけたのではないかと思います。こうやって、アートが気軽に楽しむ世界が少しでも広がるといいなと願ってやみません。藤田翁もどこか遠くから、見守っていてくれたでしょうか。ご来場いただいた皆様、どうもありがとうございました!
MIKAZUKI ARTでは引き続き、企画展をやっていく予定です。お楽しみに!
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