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月はトラウマ〜月は太陽の光を必要としている

月は過去に由来する天体です。月は私たちが過去(過去生)から繰り返してきた<感情の使い方の癖>であり、その大元は<不安>です。こうなったらどうしようという深い場所にある不安、それは私たちが最も避けたい追体験でもあります。<無意識下で怯えている要素>が月のサインに秘められています。


(主に海外の)占星術師さんの中には「月や土星から過去生がわかる」と仰る方もいます。私自身は非常に腑に落ちる内容です。月とは私たちが過去に体験したトラウマのようなもので、月が暴走する時はいわばフラッシュバック現象が起こっているようなものです。



月がもたらす漠然とした不安や胸騒ぎ、得体の知れない恐怖や焦り、ネガティブな思考回路の無限ループーーそれらには実態がありません。まだ起こってもいない実態のないことに怯え、激しい反応を示す。それって、完全にフラッシュバック現象のようなものですし、まごうことなき幻です。



たとえば、月が牡羊座であれば、「生き抜くために戦わざるを得なかった過去の体験」があるためにそれがトラウマとなり、すぐに他者を敵とみなしてしまう。すぐに自分が攻撃された(または否定された、軽く扱われた)と感じてしまう。だからこそ、短気で早とちりで衝動的な態度になる。



月が蠍座であれば「人に裏切られ、ひどく陥れられた過去の体験」があるためにそれがトラウマとなり、すぐに他者を疑ってしまう、常に状況や人の気持ちの裏をかいて、裏切られないようにしなければならないと戦々恐々としてしまう。



それは潜在意識下にインプリンティングされた思考パターン、反応パターンです。思考や感情の癖とは本能レベルで強く刷り込まれたものなので、どうしても無くならないものです。だからこそ、無意識的に生きていると簡単に乗っ取られて、月のネガティブ面にコントロールされます。



でも、このような月のネガティブさ、反応パターンが全く出ないツワモノたちが実際にいます。そのうちの一人が夫です。月乙女座で生来の性質そのままです。自然に整理整頓ができ、自然に分析・分類ができます。いつも思考がクリアで一定です。どうしてこの人はこんなに月が安定しているのだろう、どうしてこの人はこんなにもメンタルが強いのだろうーー



彼の太陽星座は水瓶座です。水瓶座はノイローゼ気質を内包しています。そして、月が冥王星とコンジャンクションでもあります。生来の性質は決して穏やかなタイプではありません。なのになぜ・・・夫をずっと観察してきて、明確にわかったことがあります。月にコントロールされない人の共通点とは「考えても仕方がないことを一切考えない、即座に思考の回路を「今」に切り替える」ーーこれを徹底しているということです。



人間なので不安要素がないはずがありません。でも、それを相手にしないのです。未来も過去もどうしようもないことです。だから、今できること以外は考えない。月の反応パターンを徹底的に相手にしない。月の反応が出てきた瞬間に思考を切り替えています。そして、常に意識的に生きています。



月の本能的な欲求は満たしてあげるべきものです。でも、月のネガティブ面はとても強烈なので、その対処法も必要です。感情や思考とは糸の切れた凧のように定まらず、一貫性を持っていません。だからこそ、水の要素は安定させることが重要で、論理性や合理性(理性)によって手懐けてあげる必要があります。



善悪二元論から離れることも大切だと思います。決して割り切れないものが存在しているのがこの人間社会だからです。正しさに拘るほど、月に捕まるからです。生きていれば、クールに割り切って受け入れるしかない部分が必ずあります。そして、考えても仕方がないことを考えないことーーその究極が生老病死です。



この先、病気になったらどうしよう、、、今の仕事がなくなったら、、、離婚することになったら、、、子どもが親が、、、そんな不安の一切を相手にしないことです。月のネガティブさに乗っ取られない最強の方法は肉体にまつわることを掴まない、しがみつかないという一点です。もう手放しちゃう。今、そう決めてしまう。



肉体と物質にまつわる全てのことは永遠ではありません。経済保証、人との繋がり、健康、若さ、親や子どもや配偶者・・・だからこそ、たった今、死さえも受け入れる。生まれたら必ず死にます。形あるものは必ず無に帰ります。それを受け入れ切ること。明日、全てを失っても仕方がない。何が起ころうとも最悪でも死ぬだけだから、大丈夫。私は私にできることをやるだけ。



その境地に立つと、月の暗黒面に乗っ取られることはありません。それくらいの開き直った強さを身につけて生きていくと、逆に健康や富が入ってくると思います。メンタルが安定して、より多くのことを形にすることができます。実態のない不安に苛まれることは相当なエネルギーを使いますし、長期的ストレスは肉体を確実に蝕むでしょう。



月とは「移ろいゆく全てのもの、儚く消えてゆく全ての形あるもの、それらを決して掴むこと勿れ、執着すること勿れ、水のようにあるがまま、今この瞬間を生きていきなさい」ーーそのような示唆を与えてくれる優しい星なのだと思います。月をどの次元で体験するか、それは自分で決めることができます。決意する、今決めるというダイナミックなエネルギー、それが太陽の創造的意志です。



月は自分で光ることができません。あの美しい月の光は太陽の光を反射しているだけです。太陽がなければ月は輝くことができないーーそれは私たちの意識においても同じです。太陽だけが月の本当の意義を輝かせることができる、太陽だけが月を優しい存在にすることができるのですね。

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