【寄付と幸福度の科学】アジアの貧国ミャンマーはなぜ世界一寄付をするのか
ミャンマーってどんな国?
アジアの最貧国の一つと呼ばれるミャンマーは2011年に軍事政権時代から民政化し、近年はアウンサンスーチーの元で民主化するとともに、めまぐるしく経済が発展しようとしていた。
ミャンマーの現状
ところが、国軍が今年2月にクーデターを起こした。国軍はあらゆる理由をつけて民主主義の政治家や国民達を逮捕し、暴行などを加えて死に至るケースも多発している。東京オリンピックでミャンマー代表のサッカー選手が3本指を立て、国軍への反抗を示した上で政治難民として日本に亡命したことは記憶に新しい。
最大の都市ヤンゴンの平均月収は1万円ほどで、一体は頻繁に停電する。
経済面でも他国に大きく遅れを取っている。今回の抗争によって一部地域では地雷が埋まっており、外に出るのも困難だそうだ。
ミャンマー人はなぜ寄付をするのか
そんな苦境に立たされているミャンマーだが、国ごとの寄付する度合いを調べた指数(世界寄付指数)では堂々の一位。
それも、多くの人がパゴダ(寺院)に寄付する。
ヤンゴンには金閣寺と非にすらならないほど巨大な金箔に覆われた仏塔すらある。
↑ 実際に僕が旅行して撮影したシュエダゴン・パゴダ。多くのパゴダ(仏塔)が市民の寄付によって建立されている。
ミャンマー人が寄付をするのは、多くが敬虔な仏教徒で
「今世で良い業を積むことで、来世でより豊かになると信じているから」
ガイドさんがそう教えてくれた。
寄付と幸福の心理学
実は寄付をすると幸福度が上がるという研究がある。
とある実験で、被験者に5ドルを渡して自分のために使ってくれと頼んだグループと他人のために使ってくれと楽しんだグループに分けた。
その前後で幸福度のモニタリングをしたところ、自分よりも他人のためにお金を使ったグループの方が明らかに幸福度が上がった。しかも、収入が2倍になったのと同じくらいに幸福度が上がった。
自分のために使ったグループがスタバでコーヒーを買うなど、一過性の幸福のためにお金を使ったのに対して、後者は人の役に立って自己効用感や自己効力感が上昇したとのこと。
だからミャンマーの人は貧しくても幸せなのかもしれない。