ずっと、自分の想いを書きためた旅日記が手元にあった。しかしそれは、特にだれかに伝えるというものではなく、私の溢れ出す想いを、一語一句丁寧に受け止めてくれるという心の相棒的存在だった。 しかしそんなとき、運命的な本と巡り逢った私は、自分の世界観を共有して感動を伝播したいという想いになった。その本は、温かいテイストの旅エッセイだった。綴ってある言葉や写真のひとつひとつが、まるで大切に作られたお菓子のようで、愛おしさを感じさせるような本であったのだ。そしてページを開いた途端に、そ
1day :伊豆大島一周サイクリング、地層大地断面 波浮港、秋の浜、サンセットパームライン、日の出浜、島ぐらしカフchigoohagoo 2day :三原山トレッキング(お鉢巡りコース) 泉津の切り 竹橋桟橋から、高速ジェットで約2時間、新幹線に乗っているような快適な船旅が始まった 東京から近いのに、なぜか訪れていなかったこの島に、ついに踏み入れるときがきた。 船から降りたった瞬間、そこは東京都とは思えない別世界が広がっており、島好きな私の感性を一気にくすぐっ
誰かから、旅に出かけるときは、家にずっと飾ってある石をもってでかけると、安全に家に帰ってこれるという話を聞いたことがあった。 どうも、家にずっとある「石」が、家に帰りたいという力を発揮してくれ、何事もなく旅の幕を閉じれるというらしいのだ。 しかし、マンション暮らしの私は、庭に石が転がっていないため、とあるものを石の代わりにすることにした。 それは、「貝がら」。 それも、ただの貝がらではなく、目八葵貝(モクハチアオイガイ)という、砂州が出現する時にしか見ることのできない、
旅の前夜、部屋の片隅にひっそり佇んでいるキャリーケースを引っ張り出し、荷造りをするひとときが私にとって至福の時間である。 普段は黒子として部屋に溶け込んでいるキャリーケースが、一気に主役になり輝く瞬間なのだ。 フィルムカメラ、一眼レフ、チェキ、旅日記、万年筆を1つ1つ大切に詰め込むといった光景は、第三者からすれば、「単なる荷造りの作業の1つ」としか見えないと思うが、私にとってこの数秒間は全く違う意味をなしている。 それは、「レトロなトロッコ電車に乗り、窓の外に一面広