「変わりたい」はただ「戻りたい」欲求
なぜか「変わりたい」という願望がある人って多いですよね。
変身願望ではなくて、「今よりもっといい自分になりたい」の話です。
失敗ばっかりのダメダメな自分を変えたい、
自分は生まれてくる時代を間違えてしまったと思う、
もっと生き生きとした自分に変わりたい、
やりたいことをめいっぱいやって輝きたい…。
私も20代の頃、いや10代の頃からかな。
自分を変えたいと思ってきました。
根暗で内向的な性格で、
人から頼まれるとNOと言えない。
硬い殻でガードしてるくせに、
その実、中身は立派なもんじゃない。
そんな自分を嫌ってたんですね。
だからこその「変わりたい」。
だけど、そう思っているだけで、
いつまでたっても変われない自分がいて、
いつのまにかそんな思いすら忘れて、
日々を過ごすのに精一杯でした。
けれど40代になると、変わりたいという思いは再燃しました。
女性って閉経近くなると、心理的にも変化が訪れるっていいますよね。
その一環なのかな、もう一度「変わりたい」って
強く思うようになったんです。
歳を重ねた分だけ若い頃より精神的にたくましくもなって、
いろいろなことにも耐えられるようになって。
それで薄々分かってきたことは、
変わりたいっていうのは、
本当は「戻りたい」なんじゃないかってこと。
本来の自分は自分しか知らない。
でもそれが十分に外に出せてないから、
「変わりたい」っていう気持ちが芽生えてくる。
だけどそれって本当は、
ただ本来の自分に戻りたいだけ、という話です、多分。
自分の中に眠っている魅力を表に出したいけど、
うまく出せないから「本来の自分を出したい」
っていう欲求。
そして、どうしたら本来の自分を出せるようになるかっていうと、
自分の嫌いな面も受け止めること、これだけ。
でもこれ、言葉では簡単だけど、意外と難しい。
失敗しても自己卑下して自分を責めるのではなく、
「こんな自分もかわいいじゃん」
って舌をぺろっと出すくらいの心の余裕。
完璧な人はいないって頭では分かってるのに、
なぜか自分には厳しい人は、
自分の失敗や過ちを許せない傾向があります(私です)。
夜、ベッドに入ると、なぜか昔の人間関係の失敗を思い出して
ぐるぐるしちゃって寝付けなかったり。
いいのいいの、過去のダメダメな自分も、
忘れないで引き連れていこう。
過去より今のほうが絶対いい自分になってるはず。
そうやって、ちょっとずつ自分を許していったら、
玉ねぎの皮が少しずつ向けるように、
本来の自分が「え、出てもいいんですか?」って顔を出してきました。
自分のダメさ加減がわかってる分謙虚になれるし、
小さく成功したら「よくやったね!」って褒めてあげられる。
人から褒められるとすぐに有頂天になるし、
失敗すると人の倍しゅんとする 笑。
客観的に見たら、そんな自分ってすごく人間らしくていいじゃない?
そう思えるようになってきました。
そうやって、おばあちゃんになる頃には
本来の自分に戻れていればいいなあ。