parisからはじめまして まずはカレーの話
2021年末から2022年にかけて。
正直言うと一人で過ごす年末年始は生まれて初めて。
毎年何だかんだで家族に会いに日本に帰ったり家族が来てくれたり日本では仕事があったりで誰かしらいたんだけど今年はひとりで過ごしてみようって思って。 散らかった頭と心を少しでもこのノエル休暇で整理してあげないと、と。
散らかりながらもやりたい事だけは明確にあって。そのひとつがこれ、文章を書くこと。フェイスブックからインスタから興味がいまいち湧かずに見る専門でここまで来た私がなぜ急に発信を?誰に向けて何を伝えたいかなんて大それたことは思ってない。ただ自分を表現するルーツとして。とか言いつつ誰かに読んでもらえたら嬉しい。じゃなかったら日記でいいものね。
そうそう、最後にフランスらしい、簡単なアイデアやちょっとした料理のコツ、イメージの仕方みたいなものを付けたいと思っているので良かったら想像してみたり実際に作ってみたりしてくれたらすごく嬉しいです。
カレーが大好き
第一回目にカレー。そう、パリにいながらも私はフランス料理が大好き!!と言うよりも本当にただ「美味しいものが大好き」であって料理にジャンルなんてものを付けたくないと心底思っている。その大好きなものの1つでここ数年で自分の中で探求した1つの料理にカレーがある。
カレーはその人の人生を表す。その人そのものである。なーんて言い過ぎだけど、本当にわかりやすく人柄が出ると思う。緻密さや繊細さ(その逆も!)大胆さ、、
残念ながら自分のカレーを食べて「私ってこんなやつね」って客観視は出来ない。なんでも自分の事となると見えなくなりやすい。でも美味しいと思うものは作れるようになった。
パリにいる料理人に数人、素晴らしいカレーを作る料理人がいる。その中でも最近はっとさせられたカレー。
モンマルトル界隈にある日本人の料理人とフランス人のサービス2人で始めたお店。素晴らしいヴァンナチュールと彼の好きな料理と言う感じのコンセプトの店で連日地元のクールなパリジャンで賑わってる。
私はこのお店のナチュラルなコンセプトが大好きだ。何でもある。ある日の夜はいい感じの鯖が入ったから炙りシメサバを。(これも絶妙な締め具合と炙りで、レストランならではのシメサバと言う感じ。本当に美味しい。)一方ではパリでこんなクオリティーのものを今のフランスの料理人は作れるのだろうかと思うようなブランケットドヴォー(仔牛の煮込み。フランスのクラシックなビストロ料理)を出していたりしてる。私はビストロ料理で、きたー!!みたいな経験を実はパリでしたことがなかった。と言うのも最近のパリの流行な料理はもっとシンプルで、素材そのものを食べてもらう感じのものが流行っていて(私の思うには)手の込んだこってりとしたあっち系は少し敬遠されつつある様に思う。わたし自身も料理にコテコテと手を加えるのは好きじゃないと思っていた。が、彼の丁寧に作られたビストロ料理にメロメロになった。そんな彼のカレーはサラサラの具なしカツカレー。丁寧で繊細な味だがきちんとインパクトを残した綺麗なカレーだ。カツの存在もきっちり引き立てているのに自身も堂々としてる。そんなカレー。私は個人的にはゴロゴロ具沢山のお母さんカレーも大好きだけどサラサラカレーもそれの良さがあるのねと思った。全ての野菜がムーラン ア レギューム(フランスで良く見る濾し器で煮た野菜や果物を入れてとってを回すと漉されて出てくるもの)で濾してある。ちなみに私のよく作るカレーの野菜は主に、にんにく玉ねぎとトマトのみで(トマトはトマトピューレとフレッシュのトマト両方入れるのがおすすめ。やはりそれぞれの利点は全然違うから。)動物性のものはブイヨン ド ボライユ(鶏の出汁)とバター少々で、たんぱく質は豆を入れることが多い。フランスには本当に色々な種類の豆があって、こちらに来て好きになった食材のひとつだ。豆を入れると一体感や程よい粘度、あの控えめな美味しさの主張がルーを引き立たせてくれると思う。カレーを作った数日後少し水分が減って豆も全てが一体化し始めた頃にバターをたっぷりのせてカリッと焼いたバゲットにボテッとこの濃縮カレーをのせてほうばる。こういう煮込み料理の日々変わる表情を見てそれに合わせた食べ方を探すのも料理の楽しみ方だなって思ったりする。
こんな感じでカレーを書き続けると(すでに文章をかなり削ったのに)きりがないにもほどがあるし、まだまだ話たいことが山ほどある。だから次回もカレーの話をし続けてみようかと。
みなさんが読みやすかったり楽しめるブログの感じ。がまだわからないので、それは徐々にやりながら改善出来たら良いと思ってます。
気軽に楽しんでもらえるものが書けたら良いです。
そして何より私が書いていて楽しかった。
今日のアイデアとコツ
『クレソンと洋梨、マスタード、ビネグレットソースのサラダ』
これは洋梨なんてなくても(フランスは洋梨とても安いし今ちょうど季節だから)マスタードなくても正直何でもいけると思う。
でも何でこの組み合わせをあえて書いたかというと、食材の特徴と料理の組み合わせのつながりを感じて欲しかったから。
クレソンは辛みと爽やかな香りが特徴だと思う。まずは辛み。この辛みに違うタイプの辛みを加えてみる。そうすると不思議と2つの辛みが相乗効果で良さがより浮き出てくる。これは辛みだけでなく苦味や酸味にも使うことが私は多い。重ねていけるものとちぐはぐしてしまうものはもちろんあるから、そこは完全に経験とイマジネーション。これにこれが絶対なんてない。マスタードがなかったら例えば粗めの黒胡椒をガリガリッとさせても良いし、柚子胡椒なんかも合うんじゃないかな。
次になぜ洋梨かというとクレソンの爽やかな香りの一部と洋梨の香りの一部が同じ類のものだから。洋梨じゃなくてもりんご(りんごだったら生じゃなくて軽ーくソテーしたものに軽くスパイス(温かい系の香りのものが良いと思う)したものが合うかな、これをソースに入れても良いと思う。あとは日本の季節的にみかん。あれは生で合いそう。サクサクっと切って(白い皮が気にならないならね。)みかん入れるならちょっと癖のあるチーズ(ペコリーノとか)削っても良さそう。
こういう感じで私は料理を構成させていってる。マスタードビネグレットソースの作り方とかは書かないので(だってきちんと大さじ何とかーとかで美味しいレシピは山ほどクックパッドに載っているはずだから)せっかくなので私のブログを見てくれた皆さんには料理人が考える料理の構成のコツみたいなものをお伝え出来たらと思ってます。
あと、サラダの一番のポイントは(いつかサラダについても書きたい)
サラダをきちんと水に戻して(サラダがパリッとするまで水に浸けてあげる) それから食べる直前にドレッシングと合わせること。
これは本当に大切です。ではまた次回