パリの女料理人

フランス、パリ在住4年目の料理人。前田悠利(まえだゆり) パリで私のおいしいから感じる色々な背景をパリの空気感と共に伝えられたらと思って書いてます。 日々の食卓がちょっぴり豊かになるように、料理人の料理を作る時のポイントとか目線なんかも伝えられたら嬉しいです。

パリの女料理人

フランス、パリ在住4年目の料理人。前田悠利(まえだゆり) パリで私のおいしいから感じる色々な背景をパリの空気感と共に伝えられたらと思って書いてます。 日々の食卓がちょっぴり豊かになるように、料理人の料理を作る時のポイントとか目線なんかも伝えられたら嬉しいです。

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残暑にガスパチョを!

ガスパチョは好きですか? 私が初めてガスパチョを飲んだ時のことを今でも覚えていて、確か都内の高級な輸入食材店の瓶入りのもので、小洒落たネーミングに興味を持って(その頃はガスパチョが何だか知らなかった)買った気がする。飲んだ感想は「なんじゃこりゃ!?」人々はいつどんなタイミングでこれを飲むのだろう、と。 酸っぱいし色々と圧が強い感じで何だか違和感のあるスープだった。 ガスパチョとはスペインの料理で主に酢、トマト、きゅうり、パプリカ、にんにく、バジル、オリーブオイルを生のまま

    • パリの料理人の働き方が変わってきた件について

      みなさんは料理人というとどんな感じの仕事を想像をしますか? 料理人になる前の私の想像は、キラキラした面もある一方、厳しい世界、男社会で体力勝負こんな感じを想像していました。恐らく皆さんも少なからず同じようなイメージはされているかと思います。そしてそれはあながち間違っていなく。   私がパリに渡った理由は日本よりも外国の方がそういう面でもう少しリラックスした環境で働けるかなということも渡仏理由の1つ。 実際のパリのレストランの働き方は(もちろん差はあるけれど、ちょっとした高

      • 私のことを少し

        先日更新したのがずっと前で驚いた。最近時間が経つのが早すぎて焦ってしまう。 とかいいつつ私は悠長に3ヶ月も日本でゆったりと過ごしていた。それにしてもいい休暇だったなーと思う。 今日は私自身のことをを少し書いてみようかと。 わたしはもともと高校生の頃から月経痛がひどかったのだがここ数年でますますひどくなり、挙句の果てに鎮痛剤が効かないほどで、月の半分は調子悪かった。それは何というかとてもしんどくて、仕事中に厨房で腹痛のためによくしゃがみ込んで容量以上の鎮痛剤を急いで飲んで薬が

        • 料理人が考える美味しいサラダとは

          私はレストランに行くとどうしても職業病的に色んなことを見てしまう癖がある。でもなるべくその場を楽しみたいし、それぞれの考え方を尊重したいし、あまりあれこれは考えすぎないようにはしているのだけれど、でもやはり気になってしまういくつかのポイントがあったりして、その1つにサラダがある。 以前いたレストランで初め前菜を担当していた入りたての頃の話しなのだが、入りたての私をずっと指導してくれいていた先輩がいた(彼は今でも尊敬する料理人の一人で彼ほど繊細な感覚と舌を持った料理人は未だ見

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        • Parisからごはんのおはなし
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          ホットケーキとおばあちゃん 幼い頃の思い出

          きっと誰もが持っている思う、幼い頃の食べ物の印象的な記憶。 その記憶には味と共にその時感じていた幸福感やなんとも言えない不安感とか寂しさとか、空気の感じ、そして匂いや温かみ、色々な背景が詰まっている。私はそんな食べ物の1つに祖母の作ってくれたホットケーキがある。 私はホットケーキが大の大好きなのだけれども中でも祖母の焼いてくれたホットケーキは特別だ。小さい頃週末に車で小1時間くらいのところに住んでいた祖父母の家にお泊まりに行った朝、祖母はホットケーキを良く焼いてくれた。早

          ホットケーキとおばあちゃん 幼い頃の思い出

          パリの中華屋の娘のおはなしの続き

          私は日本にいた時は中華料理はそこまで馴染みがなく、通っていた学校がフランス料理だったこともあり勉強も兼ねてと思い良くフレンチに行っていた。こちらに来てからは視野が多少広がり、あらゆる国の料理に興味を持つようになった。その中で再発見をしたのが、私は中華料理が大好き、ということ。ただ大抵のパリの中華はMSG(化学調味料)が強すぎて途中で頭が痛くなってしまう。中華食材にはありとあらゆる、いわゆる「旨味」を出せる食材が豊富にあるのになぜあんなに使ってしまうのだろう。別にアンチというわ

          パリの中華屋の娘のおはなしの続き

          パリの中華屋の娘のおはなし

          前回のアイデアレシピで腐乳の味噌汁を書いていたら(実際あれを書きながら横で白飯と腐乳の味噌汁を勢いよく食べていた)頭の中が中華寄りになったので今日は私の大好きな友達で、中国系フランス人の中華屋の娘の事を書いてみようと思います。彼女の名前はソフィー。 カレーに中華に、フランスっぽくないと思われるかもしれないけれど、ここフランスは移民大国であり、レストランも色んな国の料理がある。そして私も立派な「移民」だ。移民はそれぞれ理由があってフランスにいるわけで、前回話した洗い場の子達は

          パリの中華屋の娘のおはなし

          スリランカ人の本場のカレーとレストランでの洗い場というお仕事について思うこと

          インドカレー、レストランでの洗い場の話と色々。 私が以前働いていたレストランで洗い場のスリランカ人の男の子に作ってもらった賄いのインドカレーの話と思うこと。 ご存知の方も多いと思うけれどフランスというより多くの国のレストランではきちんと「洗い場」という役職がある。仕事は洗い物がメインだが、その子のモチベーションやら経験で野菜掃除や簡単な調理補助もしてくれる子もいる。 そのレストランは珍しく洗い場を雇っておらず、料理人みんなで手分けしてやっていたのだが、フランスの料理人の

          スリランカ人の本場のカレーとレストランでの洗い場というお仕事について思うこと

          parisからはじめまして  まずはカレーの話

          2021年末から2022年にかけて。 正直言うと一人で過ごす年末年始は生まれて初めて。 毎年何だかんだで家族に会いに日本に帰ったり家族が来てくれたり日本では仕事があったりで誰かしらいたんだけど今年はひとりで過ごしてみようって思って。  散らかった頭と心を少しでもこのノエル休暇で整理してあげないと、と。 散らかりながらもやりたい事だけは明確にあって。そのひとつがこれ、文章を書くこと。フェイスブックからインスタから興味がいまいち湧かずに見る専門でここまで来た私がなぜ急に発信を?誰

          parisからはじめまして  まずはカレーの話