
見えない違い~私はアスペルガー~を読んで
見えない違い~私はアスペルガー~
原作:ジュリー・ダシェ 作画:マドモアゼル・カロリーヌ
協力:ファビエンヌ・ヴァスレ
訳:原 正人 共栄書房
漫画のような表現でとても読みやすかったです。コミュニケーションに難しさや違和感を感じるアスペルガー症候群は身近な人の理解が必須となる障害で、周りの対応次第では障害ではなく個性になり、強みになります。
当事者の立場から描かれていて、心の不安や違和感がわかりやすく表現されていました。今、悩んでる人にも伝わりやすい内容作りがされているように感じました。
自閉症、アスペルガー症候群について、知識がゼロの状態でも読める易しい本でした。最後のページにはさらに学びを深めるうえでの推薦図書のページもあり、アスペルガー症候群について知る入り口にぴったりの本でした。
この本はフランスでの話で、フランスは先進国の中でも特に遅れているそうです。具体的には自閉症に対する差別意識や間違った認識が広まっています。
日本では、どうでしょう?私のイメージですが、自閉症がどういう障害なのかということ自体が知られていないように感じます。特別支援学級でどのようなことが行われているのか、私が目指している言語聴覚士という仕事が何をするのか。そういえば、教育課程でASD、ADHDなどの名前を聞いた記憶すらありません。(私が忘れているだけかもしれませんが)
日本では、空気を読むことが社会規範として大切にされていて、あいまいな表現が好まれます。そのため、コミュニケーションに難しさを感じる人はより理解されないのではないのかと思います。
ぜひ読んでみてください。