変わらなくていい
わたしと関わる生徒は引きこもりや不登校を経験しています。
その生徒たちはたくさんの奇跡を見せてくれますが、
中にはなかなか長いトンネルから抜け出せない生徒もいます。
意外に思われるかもしれませんが
生徒を「変えよう」と思って関わっていません。
どちらかと言えば変わらなくてはならないのは、周りを取り巻く人や環境、社会のほうです。
もちろん、ネガティヴな思考の生徒に対しては
物事の捉え方の新しい提案をすることはありますが、
「こちらが正しい」ということは言いません。正しいかどうか
わたしには分からないからです。
わたしは3人の子どもに恵まれました。
3人の子を育てて思うのですが、一人ひとりパーソナリティを持って生まれてきます。同じように育てても全く違うわけです。
真っ白のキャンバスではなく、すでに美しい絵が描かれているのです。
生きることは、真っ白なキャンバスに絵を描いていくのではなく、
自身の絵を飾る場所を探していくようなものだとわたしは考えます。
ですから、わたしは生徒が輝ける場所を一緒に探していきたいし、
もしかしたらわたし自身も探しているのかもしれません。
その絵は
大勢の人に認められたり、
賞賛されたり、
時には受け入れられなかったり、
するわけです。
しかし、
その絵が誰かを癒し、
誰かの心に必ず印象を残し、影響を与えるはずです。
不登校や引きこもりの生徒は
その絵を飾る場所が一時見つからなくなってしまっただけです。
必要なのは絵を描き直すことではなく、
飾る場所を探す旅をすることです。
わたしはその絵の価値を伝えていく役目なのかもしれません。