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詩 風車

世界は変わっていなかった

相変わらず空には雲ひとつなく、

訪ねた映画館はもぎりがいなくて、

話を聴きながらお茶が進んだ

店員のおばさんは年の瀬の挨拶を重ねていて、

焼き芋にはなぜか惹かれてしまう

ずっと見通せる道は気が遠くなりそうだし、

電車の席は端っこがいい

風車の影が倉庫の白壁に揺れていた

世界は何ひとつ、変わっていなかった

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