詩 tulip
雪が降ってきた
鉛筆の芯が手紙にこすれて、
ためらう、時間
窓を開けると聴こえる
この世の全て、ぜんぶ、おーる、
いーっぱいの
音、おと、おっとっとっとっと、
そうなのかな、
これで、これが、随分、ね、いいのかな
人差し指は寂しさとがっちゃり、どっちがいい?
うーんと伸びをするのと、誰かの隣で丸くなるのは?
あわあわあわわ
弟は雪だるまをつくってるから、
ちょっとほっとする
瞬きが揺らす
わにゃわにゃが
ぱしっ
森になって
ぱっ
セーターになって
っ
死んだ貝になるから、
そろそろグレーテルの家で食べる
ほっとけいき焼きたい