GO!GO!明治村で考えた。社会のきめた男女のしくみ
ひょんなことから明治村に行った。
🐎
朝、母と一緒に10:00に名古屋駅へ。餅文のういろうを買いに行った。
どうしても食べてみたかった秋限定品を売っているとホームページで見たのだった。
売り場には、夏にその事を教えてくれた、母に近い世代かもしれない店員のお姉さんがまたいて、元気に解説してくれた。
「お姉さんが夏に言ってたから、秋も楽しみにして買いに来ました」と言ったら喜んでくれた。
妹も合流する予定だったが昨夜子どもが熱を出して、朝も一緒にゆっくり起きたので名駅には来ないことにして、そのかわりに車で少し遠出することにした。
美濃の陶器まつりがやってるよ、と同じタイミングで情報をゲットしたから、大曽根駅で合流して3人で向かうことにした。お腹がすいたと言ったら途中のスギ薬局に停まってくれたのでお菓子やお茶を買い込み、そのドライブ感や遠慮ない家族のお出かけ感にワクワクする。
もう13:00で、こんな時間から遠出って行き当たりばったりすぎて、でもこんな風に突然じゃないと、とくに妹はなかなか単身で出かけられない。
子ども2人は夫が面倒を見るらしい。
それはいつも平日妹がやってることだから。
「せっかくだから夕飯も外で食べてくる?」と夫は言って、「何か夕飯作りの当てはあるの?」と妹が聞くと、「うーん…」と冷蔵庫を覗き始めたそうだ。
妹によれぱ、夫は、当てもないのによかれと思って見切り発車でいい感じのことを言う癖があるらしく、瞬間の思い付きじゃなくて計画性を持ってほしいと妹が苦く見守っていたところ、「特製のカレーにするか!」と思い付いたらしく、じゃあそれでいいんじゃないって妹は家を出てきたそうだ。
📚️
この二週間の間に、妹は、図書館で借りた水谷緑の漫画『男とのつきあい方がわからない』に続き、私が以前あげた、清田隆之『よかれと思ってやったのに』を読破しており、今は、これまた私があげた、太田啓子『これからの男の子たちへ』を読み始めていると言う。
私は何度も聞き返すほどびっくりしてしまった。
すごいスピード感。
妹もこういうことをよくわかっている人ではあるが、あまり本を読むことがなく、また日々の家事育児ではその時間もなかった。
社会が作った男女のしくみ、性質、その影響を受けてしまっている自分たちのこと、子どもを育てるにあたって考えておきたいこと。
よほど必要だと感じたのか、あるいは、読み始めたら納得&納得で次々とページをめくる手が止まらなくなったのかもしれない。
一方で、夫の方はというと、とくに必要性を理解していないためか、妹の勧めやお願いも上の空で、全然読む気配がなく、せめて漫画(『男とのつきあい方がわからない』)だけでも読んで! と言うのだが、読まない。
ところが、図書館の貸し出し期限の今日になって、
夫氏「図書館の本、どうする?」
妹「読むなら貸し出し期限の延長手続きするけど、読まないなら返す」
夫氏「1冊は読んだよ」
妹「え!」
夫氏「これ」
理由は、「おもしろそうだったから」。
悔しくも、ちょっと笑ってしまうエピソードだった。
そんなことを話しながら19号を走っていたら、右折の矢印とともに『明治村』と書いてある。
この表示、よく見た!
多治見や美濃(岐阜)に行くこの道を通るといつも出くわすこの表示。
明治村行きたいな~と思いながら通りすぎるのだ。
いつも通り「明治村行きたいな~」と言うと、「行く?」と妹が言い、あっという間に右折して明治村に行くことになった。私のイメージではそんな風にして行く場所じゃなくもっと本気で1日かけて計画して行くものなのに、こうして勢いのなりゆきで、13:00もすぎているのに明治村に行くことにした。
🚙
明治村は約5年前に行ったきりだったが、私は常々明治村がなくなりませんようにと祈っていた。
いろんなものが廃れてなくなったり、または変にピカピカにリニューアルされてしまったりするものだから。ところが、10分もしないうちに到着した明治村には、人々がたくさんいて皆座り込んで熱心に何かしていた。
何なになに?
私は、みんなが明治村のすばらしさに気付いたのかと思って感動していたが、事情は少し違うらしくて、みんながしていたのは……、
謎解き!!!🕵️
みんな、謎解きをしているのだった。流行ってるね謎解き。別途参加費を支払って、スマホなどを駆使して謎を解いていくやつ。見る限り、どうやら明治村の建物をよく観察した、ヒントがあるとか、そういうのでもないらしい。でもたぶん、広い敷地の中にあるあらゆる建物にそれぞれ行かなくてはいけないようだ。
何でもいい。とにかく何でもよかった。明治村さえなくならなければ、謎解きでも、コスプレ撮影会でも、脱出ゲームでもいいよ。それがきっかけで明治村っていいなって思ってくれたらわしは本望じゃ。。。と完全に明治村側の人間と化して思った。
そして明治村最っ高だった☆☆(☆∀☆)
広すぎる敷地も、古すぎる建物も、子どもの頃から何回も来たことがあるというノスタルジーも。
明治村には、本物の建物が全国から移築されている。
とは言え、この劣化は明治以来のというより最近の劣化なのではと思われる柱の朽ち具合や色落ちが目立つのは、とくに洋館だった。和風建築はあまり目立たないのかもしれない。ともかく、われわれの子ども時代から数えれば30年は経っているのだからそれだけでも一時代が経っているよな……と妹に言うと、「日本のマンションなんかは西洋のと比べるとまだまだ新しく、30年なんて新築らしい」と言っていた。
📖
フェミニズムや、伝統的に社会のなかで固定化されてきた男女のあり方についてガンガン学んだ妹は、「学習院官舎」にあった乃木希典の解説文(乃木希典は学習院の校長だった)に、『日本初の美人コンテストが開かれた』とあるのを見て、「こういうことをするから!!」とブンブン怒っていた。ブラボー!
とにかく楽しかった。
自分がいちばん好きで行きたかった場所にいると思った。酷暑や何やかんや、あと、好きな人じゃないと誘いにくい、遠い、大人達で行く場所……などなどの理由で、私にとってもいつしか気軽に行ける場所ではなくなっていた。でも本当はいちばん行きたかったんだ。
私が足早に移動し、いちいち歓声をあげる様子を見て二人は嬉しかったらしい。とくに母は、私が長くコロナ後遺症に苦しめられていたので、久しぶりに大はしゃぎしている様子を見てほっとしたようだった。
漱石と鷗外の家がやっぱりいちばん興奮した。
人気もいちばんだった。
あとは、意外や意外。機械館もたまらなかった。
明治は、動力が動物や手動から機械になった転換期で、そのことを想像しただけで圧倒される。機械のことなどまったくわからないのにすごいすごいと言って見て回った。わかりきらないので、明治村の資料集やガイドブックが土産物屋に売っていたら買おうと心に決めた。
宇治山田郵便局で、祖母に手紙を書いた。明治村の消印が押してもらえる。
ここにも熱心な人々がいて手紙を書いていた。10年後に届けてくれるという取り組みをしているのだ。私も昔やったことがある。
17:00の閉園までめいっぱい遊んだ。帝国ホテルの喫茶室でお茶ものんだ。
お土産を買い、端から端の門まで園内を縦断して帰った。もちろんガイドブックも買った!!
SLにも市電にも園内バスにも乗らなかったから、結果的に1万歩歩いた。それでもまだ1/3ほどしか回っていない。
夕方、妹が電話をしたら夫は子どもたちのリクエストでオムライスを作ることにしたらしい。頑張ってる!
定食屋で夕飯を食べながらいろんな話をした。
妹と別れ、母と電車で家に帰った。
夜、妹は夫とたくさんの話をしたらしい。
なんと、『よかれと思ってやったのに』を朗読したらしい!!!🤣
いい1日だった。
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