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うさぎパン

・昨日は誕生日でした。

・「うさぎパン」は瀧羽麻子さんの小説。優子ちゃんという高校生が主人公。その家庭教師の美和ちゃんとの関わりや同級生の富田君との恋を描いたほっこりするお話。

・初めて読んだのは小5とかそのくらいだったかなあ。その頃の私はミステリーばかり読んでいて、読書感想文に書けるようなちょうどいい本がなかったので、それ用に何かないかな~と適当に手に取った本だった。

・そんな出会いだったのだけれど、夢中で読んで、この本が憧れの恋愛の原点になりました。上手くいかない度に読み直して、こうなってみたいものだとしみじみ思っていた。

・優子ちゃんと富田くんとの恋は高校生らしく甘酸っぱい。パン好きという共通点から、一緒にパン屋巡りをしたり、富田くんちのパンを二人で公園で食べたり。時に喧嘩もして険悪になったりといった展開もあるけど、友だちみたいで仲間みたいで、爽やかな恋がみずみずしい。

・優子ちゃんたちはもちろんかわいいんだけど、私がやられたのは美和ちゃんカップル。美和ちゃんは優子ちゃんの家庭教師で、物理学専攻の大学院生だ。パートナーは同じ研究室の先輩の村上さん。

・優子ちゃんにはめったに自分の恋愛話をしない美和ちゃん。優子ちゃんは、「美和ちゃんの彼氏が見たい!」と。いろいろあって遊園地でダブルデートをすることに。一日遊んで疲れ切った帰り道、村上さんが運転する車の後部座席で優子ちゃんが気づいたことがあまりにも素敵だった。

・「ねえ村上」と村上さんの名前を呼ぶ美和ちゃんを、優子ちゃんは一日の中で初めて見たと。村上さんはいつでも美和ちゃんに目を向けていた。だから美和ちゃんはわざわざ声をかけて彼の注意を引く必要なんてなかったんだ、って。

・ここ、読んでていつも叫びそうになる。許されるなら叫んでいる。すごすぎ。こんな愛の表現方法が、、愛は見えないけど見えるってコレだ…って感動した大好きな場面。

・このエピソードの前にはこんな話がある。優子ちゃんが美和ちゃんに彼氏の名前を教えてと迫ったら、なんだっけな、とすぐに思い出せず、忘れちゃうのよと美和ちゃんが答える場面。そんなわけないじゃんと優子ちゃんは言うのだけれど、そんなわけあるんだなあこれが!!!!って気持ちですよね。

・小説なのに、文字しかないのに、やさしそうな目で大好きな美和ちゃんを見つめる村上さんと、それを信頼しきってのびのび生きている美和ちゃんが頭にくっきり浮かぶ。

・最近までいろんな恋愛話を観たり読んだり聞いたりしたけど、やっぱりこれがどんな恋愛漫画よりも理想じゃないかと思う。

・全部がぴったり一致ってわけじゃないけど、今の私の状況が美和ちゃんに近いからますますそうなのかも。ちょっと前までは自分がこんなふうになれるなんて考えてもみなかったなあ。

・周りからも、人って変わるんだねって言われたりする。変わるんだね~。良い方に変わって超よかったね。

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