見出し画像

ゲームプランナーを目指す「普通の人」へ② 〜エントリーシートの書き方〜


ゲーム業界のエントリーシート

本記事ではゲーム業界で企業に提出するエントリーシートの書き方のコツをお伝えしていきます。
結論から言ってしまえば、「結論先行」「主語省略」など、注意することとしては他業界とそれほど大きな違いはありません。しかし、いくつか知っておくと有利になることもあります。特にそうした点をピックアップするつもりです。(つもり)

学生時代に力を入れたことは何ですか?

出た!ド定番質問!!!
実際、ほぼ全ての企業のエントリーシートにこの質問は載っています。基本的に嘘をつかなければ何を書いてもいいのですが、やはりできるだけその業界にあったアピールをするべきです。例えば、このエントリーシートは『就活の教科書』というwebサイトで素晴らしいお手本とされているものになります。

私が学生時代に力を入れたことは、ダンス部の部活動です。
(長いので中略)
この経験から、壁にぶつかったときには工夫をこらし、自分の感情をコントロールする大切さを学びました。
未知の壁にぶつかる時もあると思いますが、大学時代のダンス経験を活かして貴社に貢献していきたいと思います。

就活の教科書

実際、これはゲームプランナーでなければ人事が涙を流して崇めるようなスーパーエントリーシートです。しかし、ゲームプランナーには刺さらない。
以下の記事の結びで紹介したように、ゲームプランナーに求められるのはコミュニケーション能力何かしらの制作の経験になります。

ゲームに限らず、小説、漫画、モノづくりなどの経験があるひとはそのエピソードを使うべきでしょう。そうした経験がない場合には、コミュニケーション能力で押し通すのがとりあえず強いです。
それぞれ次のような構成で書くと綺麗になるはずです。

【制作経験】
1. 私が学生時代に力を入れたことは〇〇です。
2. 制作中にぶつかった壁など具体的なエピソードを書く。ここでコミュニケーション能力もアピールできると最強。
3. 制作後に他人のフィードバックを受ける喜び。
4. ゲームの開発に携わることで多くの人を喜ばせたい。それが自分の喜び。

【コミュニケーション能力】
1. 私が学生時代に力を入れたことは〇〇(バイト・授業など)です。
2. どんなに些細なものでもいいから、その中で他人とコミュニケーションをとって課題を乗り越えた経験を書く。ただし、嘘はNG!
 例:バイト
   同僚と密に連携することで〇〇できた
   お客様にとって心地よい接客を心がけてきた
 例:授業
   グループワークに積極的に参加してコミュニケーション能力を鍛えた
3. そこで培ったコミュニケーション能力をフル活用して、ゲームプランナーとして円滑なゲーム制作に貢献したい。

こんな感じで書けば、とりあえずゲームプランナーとしてアピールするべきことはアピールできます。
普通すぎるって? 私たちは「普通の人」なんだから、普通でいいんです。


志望動機

志望動機として、「ゲームが好きだからはまずい」とよく言われます。これは、正しいけど正しくない。正確には「ゲームが好きだから、だけではまずい」です。むしろ、ゲームが好きなことは積極的にアピールするべきでしょう。どんな形であれ、それは熱意となって人事の元へ届きます。
ただし、それが普遍的(どの会社にも当てはまること)になってしまうとまずいです。「ウチジャナクテモイイヨネー」攻撃を受けてしまいます。これは一撃必殺なので受けた瞬間終わってしまいます。
そのため、なるべく企業に合った内容にするべきです。幸いなことに、ゲーム会社はこれがやりやすい。その企業のゲームを遊び、感動したことを素直に伝えればいいのです。
基本的には、ゲーム愛+αの構成が強いでしょう。このようにすると綺麗にまとまるはずです。

  1. 志望動機は二つあります。

  2. 一つは〇〇(その会社のIP)が大好きだからです。

  3. そのゲームの感動したところを述べる。

  4. 今度は自分がそのゲームの開発に携わり、多くの人を感動させたい。

  5. 志望動機のもう一つは△△(企業理念・企業の目標)です。

  6. △△の実現に向けて、自分自身成長しながら一緒に走っていきたいと思っています。

とにかく大切なのはその企業への愛(小さくても)を伝えることです。それを意識して書くようにしましょう。


今までプレイしておもしろかったゲーム

これはゲーム業界特有の質問だと思いますが、非常に多くの企業で聞かれる質問です。この質問に答える際には【ゲームシステム・ゲーム性】に着目した回答をするようにしましょう。例えば、以下は良い例と悪い例になります。

良い例
『モンスターハンターワールド:アイスボーン』
従来の作品から大幅に進化したアクション性に感動しました。様々な面で大きな変化を遂げながらも『モンスターハンター』としての面白さを実現している点はとても優れていたと思います。特に「傷付け」のシステムがお気に入りです。やや単調になりやすい戦闘のなかで「いつ、どこに傷をつけるか」を考える必要があることで、戦略を生み出し、アクションゲームとしての完成度をより高めてくれる要素でした。

悪い例
『モンスターハンターワールド:アイスボーン』
従来のゲームとは一線を画す美麗なグラフィックに目を奪われました。「古代樹の森」の探索では、その地に息づく生物たちの習性が細かく表現されており、とても感動したのを覚えています。

良い例については、「ゲームシステム」「ゲームの面白さ」にしっかりと触れている点が素晴らしいです。
もちろん、悪い例にあるようなグラフィックの美しさも近年のゲームでは非常に重視されています。しかし、みなさんが応募しようとしているゲームプランナーは「ゲームの面白さ」を考える仕事です。それを覚えておきましょう。


さいごに

ここまで、ゲーム業界のエントリーシートで特にありがちないくつかの質問の回答をまとめてきました。そのいずれにも共通していえることは、「ゲームプランナーとしての回答をしよう」ということです。ゲームファンではなく、ゲームプランナー候補として。それを念頭に書けば、通過する確率はグッと上がるはずです!

いいなと思ったら応援しよう!