開運への導き~「誰もが自分の世界で生きているという話」
おはようございます。
開運セラピストのゆーみんです。
今日は認知症の母の壮絶な介護体験から、人々の心を打つ珠玉の詩を数多く紡ぎだした詩人の藤川幸之助さんの詩をご紹介します。
この詩を読んだ時、私は感動で思わず涙せずにはいられませんでした。
それを今日はご紹介し、生きる意味を一緒に考えて頂けたらと思います。
「徘徊と笑うなかれ」
母さん、あなたの中で
あなたの世界が広がっている
あの思い出がこの今になって
あの日あの夕日の道が
今日のこの足下の道になって
あなたはその思い出の中を
延々と歩いている私は
父さんですか
幼い頃の私ですか
それとも私の知らない恋人ですか
妄想と言うなかれ
母さん、あなたの中で
あなたの時間が流れている
過去と今とが混ざり合って
あの日の若いあなたが
今日ここに凛々しく立って
あなたはその思い出の中で
愛おしそうに人形を抱いている
抱いている人形は
兄ですか
私ですか
それとも幼くして死んだ姉ですか
徘徊と笑うなかれ
妄想と言うなかれ
あなたの心がこの今を感じている
いかがだったでしょうか?
認知症になっても、人間はその時その時を必死に生きています。
詩人の藤川さんは、詩人としての講演活動をされている時に、良くお土産で売っているキューピー人形をお母さんに買って帰ったそうです。
何故人形を買うようになったかというと、認知症が分かった頃のお母様が、いつも家にあったキューピー人形を抱っこし、真顔でその人形にキスをしたり、オムツを替えたりしていたからだそうです。
当時、藤川さんは、自分が正常な世界にいて、母は異常な世界にいるのだという思いがあり、「なんでそんな事をするんだ」と叱ってばかりいたそうです。
しかし、人形を離さない母親の姿を見ているうちに、もしかしたらあの人形は、私か兄、幼くして亡くなった姉の誰かなのかもしれないと、ふと感じるようになったそうです。
そして、自分が「出来る、出来ない」「分かる、分からない」で向き合ってきた事に気づき、お母さまは、「感じる、感じないの世界」があるのだと認めるようになったと言います。
母の心は、若い頃の自分に戻り、若い頃の世界をしっかりと生きているのだ。
頭の中に広がっている世界に生きているという意味では、自分も母も一緒なのだと初めて思えたそうです。
その時に、「正常な世界」と「異常な世界」という区別が消えたと仰っていたのが印象的でした。
いかがだったでしょうか?
先はどうなるか分からないのが私たちの人生です。
自分ももしかしたら何かの病気になるかもしれないし、認知症にならないという保証はどこにもありません。
でも、介護を経験する事により、初めて命の重みや人の尊厳、温かさや優しさを学ぶことが出来ると思います。
認知症を患った方の行動は、時に理解出来ない時もあるけど、誰もがその人が描く世界を、一生懸命生きているのだなぁと思います。
この藤川さんのように親の老いも受け入れて、人に優しくなれるような
心の広い人になりたいと思いました。
皆さんの心にも、藤川さんの気持ちが届くと嬉しいです。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。