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「福について考えるのは悪いことではない」という幸田露伴の考え方を、渡辺昇一さんは解説してくれます。

しかも、悪いどころではなく、福を得る為に私たちは努力をしているのだから、福についてしっかりした考えと態度を持つことは、人生の要訣なのだと言います。

🍀露伴は福を身につける三つの道を示しました。「惜福」「分福」「植福」です。

運が巡ってきて福に恵まれます。そこでどうするか。

恵まれた福を使い切らず、その福の一部を見えないところを巡っている運にお返しするような気持ちでとっておく。その心掛けが「惜福」です。

そして、その巡ってきた福を使い切らず、人にも分け与えるのが「分福」です。

分福は特に人の上に立つ者にとっては不可欠の心掛けだと言えましょう。

惜福と分福。この二つは同じように心掛け、工夫するものであって、どちらか一方に偏しては自分に来た福をさらに膨らまし、永続させていくことは出来ないと言います。

そして、三つ目の「植福」が最も大事だと幸田露伴は言い、一本のリンゴの木を譬えにして説明しています。

リンゴの木を植え、適宜剪定をして木を長持ちさせるのは惜福です。

そうして豊かに実った果実は自分が味わうのはもちろんですが、自分だけでなく他にも分けて楽しみます。分福です。

さらにリンゴの種を蒔き、幼木を育ててリンゴの木を増やしていきます。

増やしたリンゴの木がつける果実を、自分は味わえないかもしれません。

だが、子や孫と次の世代がそのおいしさを堪能できるのは確かであり、この事が
「植福」にあたります。

植福とは、福を作り出すことと言っていいでしょう。

これを繰り返せば、「無量無辺の発生と産出とを為す」と露伴は言います。

私たちもご先祖様の植福によって、沢山の恩恵を受けて、今この地球で幸せに生きていく事が出来ます。

その植福に感謝しながら、未来の子孫の為に、私たちも知恵を出し合いながら、植福を繰り返していきたいですね。

今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。


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