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平時よりも風通しの良い電車内。
1号車の前方右端の角。私の定位置。
車窓からは到底都会とは呼べない風景。
停車駅だ。あと3駅で終点。
乗ってきた数人の中に1人、おそらく東南アジア系の女性がいた。
彼女は私の斜め前方の空いていたスペースに納まった。
ふと彼女の手に持つスマートフォンの画面が目に入った。
レバノン首都爆破のニュース記事だった。
彼女はスクロールすることなくそのトップの画像をじっと見ていた。
まもなく終着駅だ。
彼女はInstagramを開くと、ストーリーズにずっと見つめていたニュース記事を張りつけた。
そして〝pray for levanon〟と打つとスマートフォンの電源を切った。
終点に到着だ。
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