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初めてのインドの結婚式で号泣した話
こんにちは、ゆもです!
前回の投稿に引き続き、インドブッタガヤでの出来事🇮🇳。今回ブッタガヤから1時間ほど車で離れたDobhiという村で結婚式に参加した衝撃談を呟かせていただきます。ちょっと長いですが是非スクロールして頂けたらと🙏
(前回の投稿は回想録↓)
結婚式のお誘い
村への正式なご招待
前回でも話したが、ブッタガヤでは以前訪れた時に不調の自分を助けてくれた現地人のお宅にホームステイさせてもらってました。
その彼と再会してチャイをご馳走にながら話した時、「ベストなタイミングで来てくれた」って何やら嬉しそうな様子。聞いてみると、どうやら親戚の結婚式があるのでぜひ来てくれというものだった。私も万歳万歳(笑)いつかインドの結婚式が見てみたいと思ってたから、まさかこのタイミングで、しかも知り合いからの正式なご招待というのは運が良すぎるのではないか。首をぶんぶん縦に振ってぜひ連れてってくれとお願いした。
(🌸知らなかったが、4月はインドの結婚シーズンらしい🌸)
ビハール州に位置するブッタガヤは、鉄道が通るガヤからリキシャで1時間ほど離れたのんびりとした小さな村。ここでの人々の生活も慎ましいもので、普通にみんな牛やヤギと一緒に生活してます。私のステイさせていただいたお家の裏にも牛がいて、近所のお母さんたちがミルクを分け合うためにバケツを持って集まってました。そんな田舎の風景に心打たれ、ブッタガヤが大好きな私。なのだけど、結婚式が行われた村は、ブッタガヤからさらに車で1時間ほど離れたDobhiという村。そこへ親戚たちが集結するそうで、私もみんなと一緒に訪れました。
で、結論その村がもうすごかったんよ。
ブッタガヤを田舎としてた自分が無知でした。
本当の村、インドのガチなリアルだった。
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貧しい家ではないことに注意
まずどの家にもトイレがなく使ってない。電気は途切れ途切れで通ってるが、水は井戸から蛇口がない。ドアがなくて、家に外内の明確な区別がない。床は地面。夜になるとその地面にみんなが丸まってくっついて寝る。
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スープカレー、ジャガイモのおかず、大量の米
この村に日本人が来るのは初めてだったらしく、ぞろぞろ親戚やら隣人やらがやって来て私を取り囲み、写真タイムや質問責めやらが始まった(笑)そんなスター並の大歓迎を受けた私だったが、初めはそのとにかく日本と全く違う生活スタイルの衝撃さに固まっちゃったよね(笑)「すごいとこに来ちゃったぞ」と思わざるを得なかった。
どんなふうに、そこで結婚式が行われたのか、その激動の流れを話していく。
結婚式までの流れ
時間がかかるladies
まず結婚式の準備は、村へ行く前からかなり慌ただしく始まっていた。特にレディたち。女の子たちが、せっせとミシンで結婚式用の自分らのサリーを仕立てていた。サリーのブラウスのために布を裁断して、足踏みの古いミシンでカタカタと縫っていく。同い年くらいの彼女たちのその手慣れさに感動して、私はぼうっと見守っていました。
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ブッタガヤのステイ宅にて
で当日、昼くらいに出発すると言われたから私は午前中に荷物をまとめて準備完了。けれどレディ達をみてみるとまだミシンカタカタしてたのよね(笑)実にそっから4、5時間かかった(笑)スーツケースにゆっくり荷物を詰め出して、丹念におしゃれを始める。まあ時間がかかること。男たちは無表情で辛抱強く待っていて、じれったい私も次第に無表情になりながら待っていました(笑)
2024計画結婚
村に着いた時にはすでに日暮れ。
前夜はごはんを食べすぐ床に就きました。私はそこで初めて新婦さんと対面。聞いたら21歳わたしの一個上だという。多分宗教的な意味合いがあるのであろう黄色いサリーをまとって、少し落ち着かない様子だった。
詳細を話すと、この結婚は親族同士が決めたいわば計画結婚。すなわち、新婦は未だ一度たりとも自身の夫となる男に会っておらず、明日初対面を果たすという。新郎は違う村に住む青年で、明日親戚とともにこちらにやって来るそう。インドでは普通らしいが、私はそれを聞いただけで不安になった。新婦をみるとすごく細くて、まだ女性というより少女のようだったから。でも彼女に緊張してる?と訊ねると、楽しみよって微笑みながら言った。親戚たちもどことなくそわそわしていて、気持ちが高まりつつあるようだった。
その晩、現代らしいエピソードがあった。彼女と話してる時にね「写真を撮るから一緒に映って!!」って言われて撮ったんだけど、これをインスタのストーリーにあげるという。「彼が見るのよ!!」って新婦は照れ笑いしながら言った。なるほど、2024年の計画結婚はチャットやビデオ通話はありらしい。
現代はどんなに貧しかったり僻地であっても携帯は持っている人が多い。きっと以前は本当に相手のことを知る由もないまま結婚がなされていたんだろうけど、現代は携帯でのやり取りができるのね。その携帯で話している姿が恋している女の子のようで、私は少し安心しました。
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やってもらいながら新郎と電話中
衝撃的すぎた結婚式
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衝撃は日の出とともに
当日の話。
私は疲れて爆睡して、起きたのが明け方。女の子たちがトイレに行くって言うからみんなで連れションに(笑)まだ暗い畑道をみんなで歩き、着いたのが何の変哲もない土地。そこにみんな各々散らばってしゃがみ込み、用を足す。私もしゃがんで用を足しながら明るくなる空を見上げてみた(笑)近くでしゃがむ女の子たちと目が合って、お互い笑ってしまう。平和な朝。でもこのトイレっていうのも、女の子がひとりで行くと男にレイプされる危険性がある。だからこうやって明け方にみんなで一緒に行くらしいんだよね。なんか群れで行動する野生動物が思い浮かんだ。日本には絶対ない日常。
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右でごはんの調理中
フルーツとあんまいパイみたいなお菓子を朝ごはんに食べ、本格的な結婚式の準備が始まったのはお昼くらい。式場を組み立てたり、椅子を並べたり、ご飯を準備したり。みんなそれほど時間には焦ってなくて、時折チャイを飲んで休憩したりしながら各々の支度を進めてく。夕方になって、いよいよ身支度の時間に。洗濯する共同施設なのかわからないけど蛇口のある場所があって、そこで女の子たちと一緒にじゃぶじゃぶシャワーを浴びました笑 その後、ゆっくりゆっくり女の子たちがおしゃれを始める。サリーを着て、アクセサリーをつけて、メイクをして……私もサリーやらインドメイクやらを施してもらいました(笑)度々電気が切れてしまうから、ファンが回らず汗だく。電気が消えてしまうと、メイクをしてた女の子が嘆く。ちびっこ含め男たちもスーツといったフォーマルなのに着替え始めた。気づけば日暮れ。いよいよ結婚式が始まる。
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byホストシスターPutun
遅延だらけの式がスタート
スピーカーで爆音で音楽をかけ始め、徐々に人が集まり出す。まずは腹ごしらえというように、脇に設置されたご飯ブースに人がたかる。女子も支度が終わった順にそちらでご飯を取りに行き始めた。親戚のおばさんがこれは要るかもっと要るかと勧めてくれて、大量によそってくれました(笑)
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美味しかったがすでに私のお腹は死んでたので残しちゃった(泣)
ご飯も終えて、いよいよ式が始まる、、、と思いきや一向に新郎がやって来ない。遠い村からおそらく歩いてこっちまで来てるらしい。2時間3時間待てども新郎一同はやって来ない。こちらは準備万端なので、待ちぼうけ。気づけば日付が変わってしまった。私はそれだけで疲れてうとうとしていたんだけど、子どもたちに手を引かれて踊ることを強要される(笑)遅いね来ないねってじれったくなる我々一同だったが、もうやることもないのでひたすら一緒に踊ってました(笑)
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みんなで踊り明かした^^
ついに新郎参上
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この祭壇も当日組み立てた
ついに新郎が親戚とともにやって来た時、時間は既に1時を過ぎて2時くらいになる頃。その頃家の中では新婦の支度が始まっていた。まず井戸から汲んできた水で身体や髪を綺麗に洗う。それからきれいな真紅とゴールドのサリーを身に纏い、たくさんのアクセサリーをつける。象徴的な鼻のピアスもばっちり。肝心の彼女の面持ちは不安そうだった。年配のお母さんたちが囲み、何かの儀式が始まる。写真はNGだったんだけど、内容としてはお香を炊いて、順番に棍棒で新婦の頭上で円を描くのを繰り返す。多分嫁ぎに出す儀式なんだと思う。
そしてついに新婦と新郎が対面を果たす。
お互い互いに無表情で、緊張した面持ち。西洋スタイルみたいに牧師さんらしき人が何やら言って、お香が焚かれ、後に互いの首に花飾りをかけ合う。新婦は膝まづき新郎の足にそっと手を触れる。一通り儀式が終わると歓声が上がり、新郎新婦とのひたすら撮影タイムになる。
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撮れ撮れってめっちゃ近くに行かせてもらった笑
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その後終わるのかと思ったが、今度は家の屋上にみんなで移動しまた違う儀式が始まった。これがよく分からなかったかつ超絶長かったんだよね。おじさんがお経みたいのを唱えて、女性たちがマイクを使って歌う。歌といってもお経っぽいんだけど、これが朝までひたすら続いた。私は限界すぎてこの間のひと時をこっくり寝てしまった。浅い眠りから醒めた時、強くなってきた日差しと朝の張った空気と女性の未だ唱え続ける声が神聖的だったのを憶えてる。
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夜更けのようす
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全体はこんな感じ
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この子達の隣で私も寝ちゃってた笑
永遠の別れ“マミー”
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ひたすら続いた女性たちの歌が終わり、いよいよ終盤に。けれどこの頃から新婦が泣き出しちゃうんだよね。ベールの下でそっと泣いていたのが、次第に声をあげて泣き始めてしまう。私は解らずおろおろ。訊くとどうやらこれから新婦が新郎とともに彼の村に行くらしいんだよね。つまり彼の村に嫁ぎに行くってこと。
驚いたんだけど、
何でもこれが故郷や親族たちとの最後の別れらしいんだよね。
もう2度と自身の故郷に戻ることはない。
わずか21歳の少女が
家族や故郷に永遠の別れを告げて
今日初めて会った男の村に行くのである。
ずっと気になっていたのだが、どうやら彼女の肉親はすでに亡くなってしまっているらしい。居間の壁にかかってた男女の写真が彼女の両親だった。親族の女性たちに連れられ、いよいよ家を経つ時。彼女が「マミー!!!」って遺影にすがって泣いたんだよね。衝撃がすごくて、私は立ちすくんでただ一心にこれから起こることを見ていました。
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周りの親族も涙を流す
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故郷を去っていった。
この衝撃から何が得れるか
新婦が新郎と去る時。私は涙でぐちゃぐちゃの顔で動画を撮り続けました。花で彩飾された車が出発すると、みんなでお米を”鬼は外”的な感じで車に向かって投げつけ式が一通り終了。準備を含めおよそ丸一日半に及ぶ結婚式でした。
再び印象的だったのが結婚式が終わった後のみんなの様子。
悲しみに打ちひしがれた空気が一変し、安堵の空気になったんだよね。
泣いていた女性たちも次第に泣き止み、再びご飯やチャイの支度を始め、男たちも祭壇の片づけを始める。時に笑いが起こって、ずっとあったそわそわとした高まりが解けて、日常に戻る。私たちのように訪問者の親戚たちは順々に笑顔で帰宅していく。無事に大事な村の娘を嫁ぎに送り出せた、そういう安堵の空気だった。
私はこの結婚式に対して抱いた衝撃は、簡単に言ってしまえば可哀想といった新婦に対する同情であり、またこの文化に対する懐疑である。
でも、この私が抱いた感情は、彼らのコミュニティの外側にいる者が抱くものだということに必ず注意しなければならない。彼らにとって、この一通りの出来事はめでたいものであり、この村の娘たちにとっては人生に一度の最も大切な瞬間なのである。別れに涙した彼らだったが、それは喜びの涙なのである。そして泣き崩れる新婦の始終を見てもなお、少女たちに「結婚したいか?」と訊ねると、「自分の結婚が待ち遠しい」と応えるのである。
私はこの結婚式をこのnoteで発信するにあたって、これが良い悪いといった評価は決してしない。私がこの村の文化に対して口を挟む権利はないし、私自身も分からないからである。私はただひとりの外部からの訪問者として、自身が見たその始終の内容を伝えるだけである。
現在自分は20歳。この村では年頃の娘。
ひとりで世界を旅するなんて、この村いわんやインドでは従来あり得ないのである。自分がいかに自由度の高い特権を有しているかが身に染みた経験となった。
じゃあ私はこの特権を活かして何ができるのだろう。
旅ができるメリットとはなにか。
旅をして知ったこうした経験を
私はどう吸収してアウトプットすればいいのだろう。
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子どもたちの未来って何だろう。
以上、なんかもやもやする投稿となってしまったが、これでこの呟きを得ようと思う。ここまで読んで下さった方、本当にありがとうございました。長くなってしまいましたが、少しでも自分の見たものが発信として誰かとシェアできたら嬉しいです。今後この結婚式の様子の動画を編集しようと思っています、出来次第こちらにリンクを貼りつけますので是非観てみてください!!Instagramもぜひ^^
おわり。みなさんありがとう。
最後に結婚式に呼んでくれたAnil、本当にありがとう。
〜完〜