見出し画像

【映画感想】ラーゲリより愛を込めて

2年ぶりに「ラーゲリより愛を込めて」を鑑賞しました。
前に見た時は良い映画とは思っていましたが、今回また見直すとやはり素晴らしい映画だなあ、としみじみと感じました。
この映画はシベリア抑留者の半生を描いており、実話を元にしています。

【あらすじ】

第二次世界大戦後の1945年8月9日、満州にいた山本幡男一家はソ連が満州を占領したことをきっかけに妻と子どもと離れ離れになった。

山本はシベリア強制収容所”ラーゲリ”へと列車で連行された。
収容所は不衛生で、わずかな食糧が与えられるのみ。
極寒の地で強制労働を強いられた。

仲間が次々と死亡していく中、帰国(ダモイ)を信じて希望を持ち続けた山本。いつも笑顔で周囲を励ましていた。

どんな身分の人にも平等に接し、上官が間違ったことを強要しようとしても、堂々と抗議をするなど正義感のあふれる人であった。

周囲の人々は山本の実直さに魅かれ、過酷な生活の中でも楽しみを見つけて皆で帰国の日を待ち望んでいた。

そんな中、病に侵される山本。帰国は叶うのだろうか・・・。

【感想】

まず、戦争の恐ろしさを改めて思い知らされました。

直接的に兵器で人を殺めていくのみならず、自らの心が蝕まれていくことが怖いと感じました。

全てに疑心暗鬼になり、感情を捨て、生きるしかばねとなる。
人を傷つけることが平気になり、善悪の判断がつかなくなってしまう。

それが登場人物を通じて見事に描かれていました。


そして、どんな状況でも希望を持ち続けることの大切さを教えてくれました。

山本幡男という人物を通じて、人が本来あるべき姿が描かれていました。

山本は『絶対に家族のもとに帰る』との約束を胸に抱き続けていました。

-40℃に達することもある極寒の地での強制労働、わずかな食糧、不衛生な寝床という絶望の中でも、家族に再び会うために強く生き続けていました。

一番印象に残ったのは、家族が亡くなった知らせを受けた仲間が自殺未遂を図った時に、「それでも生きろ」と強く説得した場面でした。

大切な家族を失ったとしても、生きることを捨ててはいけない、自分を大切にしなさいとの強いメッセージを感じました。



また、人を信頼することの大切さも教えてくれました。

学生時代の先輩とラーゲリで再会する山本。
懐かしさを感じるのも束の間、尊敬する先輩から裏切られます。

それでも、その先輩が悪いわけではない、戦争が一時的に彼をそうさせてしまったのだ、と悟るのです。

どんなに冷たくあしらわれても、彼を信頼し続けた結果、尊敬する昔の先輩の心を取り戻していきました。

人を信じ続ける心が、その人の凍った心を溶かしていくように感じました。


傷ついた経験があり人を信頼することが怖くなっている方、
将来に不安を感じている方など、ぜひこの映画を見て頂きたいと思います。

私もこの映画を見て勇気をもらいました。

最後までお読みいただきありがとうございました!

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集