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【映画レビュー】ジーサンズ はじめての強盗

気合を入れて見る映画も良いのだけど、こういう全て予想通りみたいなただクスッとできるだけの映画を見たい時もあるんだよなぁと思う。

仲良しおじいちゃん3人組が、銀行強盗をするコメディ。もちろんクライム映画と呼べるようなリアリティはないし、社会に訴えるようなテーマもない(たぶん)。ただのコメディ以上を期待して見るような映画ではない。
ジーサンズ、なんてバカみたいな邦題が似合う程度の、安心安全コメディだ。

マイケル・ケイン、モーガン・フリーマン、アラン・アーキンの3人が演じる主役のおじいちゃんたちが良い。もちろん言うまでもなく名優の3人である。彼らが、人生の終盤に陥ったピンチを銀行強盗で解決しようと奮闘するおじいちゃんたちを、ユーモアたっぷりに演じている。それに、おじいちゃんたちはピンチではあるけど、彼らの人生を羨ましいと思える部分も多い。人生の晩年にこんな濃い付き合いができる友人がいる事を羨ましいと思うし、家族だったり恋人だったり、そういう周りの人たちにも恵まれている。
3人のおじいちゃんより、さらにおじいちゃん役のクリストファー・ロイドも時々出てきていい味を出している。あの『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズのドク役の人だ。

勧善懲悪という訳でもないし、弱者から強者へ鉄槌とも言い切れない。そういう重くなりそうなテーマをスパッと捨てて、なるべく誰も傷つけないように銀行強盗を成し遂げようとするコメディである。こういう映画がちょうど良いって気分の時もあって、そういう軽い気持ちで見るのに最適なコメディだった。

『ジーサンズ はじめての強盗』 2.5

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