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【映画レビュー】オーバー・ザ・トップ

子どもの頃にテレビで放送された映画を、大人になっても断片的に覚えている。タイトルは覚えていないし、大人になった今見ても面白くないだろうし、特に探したりはしない。でも、Amazonプライムの見放題が終了間近のタイトルを物色していてその思い出の中の映画に期せずして出会ってしまうと、つい興奮して見てしまう。

主演はシルベスター・スタローンだ。トラック乗りのスタローンが人生逆転を掛けてアームレスリング大会に挑む物語だ。10年ぶりに会った息子とトラックで旅をしながら親子の絆を取り戻そうとする、ロードムービーでもある。テイストとしてはロッキーに似ているが、ロッキーの方が名作だ。大人になった今見ると、古いポンコツ映画だなと思ってしまう反面、妙に惹かれるものもある。

日本ではあまり見かけないコンボイトラックや、スタローンがアームレスリングをする時に帽子の向きを変えるしぐさなど、印象的な部分はそうそうこれこれ!と思い出しながら見た。子どもの私は、アームレスリングが他のスポーツみたいに大会が開かれて賞金が出る事にすら驚いた。息子がこんなにインテリなキャラクターだった事や、義父がこんなに金に物を言わせる傲慢な奴だった事はすっかり忘れていた。
昔のアメリカの映画らしい、無骨で芯の通った一匹狼の主人公が、権力でねじ伏せようとする傲慢なお金持ちを跳ね返す、王道の痛快さを味わえる。シナリオが雑な部分もめちゃくちゃあるけど、ポンコツ映画としてツッコみながら笑って楽しめる。反目していた息子が父親のカッコ良さに気付いていくストーリーや、アームレスリング大会の迫力など、ベタだけどそれがいいんだという場面がたくさんある。まあ、たっぷり思い出補正が掛かった感想ではあるが。

私も基本的には映画を字幕で見ることが多いが、ロッキーシリーズもランボーシリーズもBSで吹き替えで見たような同士には、ぜひこの映画は吹き替えで楽しんで欲しい。

『オーバー・ザ・トップ』 2.5

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