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【映画レビュー】ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち

ファンタジーを想像して見始めると最初は思いのほか現実的で驚いたけど、最終的には見たかったファンタジーがちゃんと見れる。ちょっとややこしい所もあるけど、理解できない部分があっても楽しめるし、ただ子ども向けとも大人向けとも言えない不思議な映画だ。

内気で友だちのいない思春期のジェイクが、祖父の死をきっかけに幼い頃に祖父に聞かされていたおとぎ話の世界を探し始める物語。ティム・バートン監督作品らしいちょいグロファンタジーとでも言うべきだろうか?ダークで奇妙な部分もありつつ、アクション要素も多めで、設定もちゃんと作り込んであって、シュールコメディ要素もあって、面白い作品だと思う。

個人的にはティム・バートン監督の代表作『チャーリーとチョコレート工場』があまり好きではない。子ども向けっぽいファンタジーな雰囲気で釣っておいて子どもたちに痛い目みせてやろうみたいな構図がズルいなと思って(個人の感想です)。ただ、本作はちゃんと善意や親切や勇敢さや愛などがわかりやすく主人公側で描かれ、悪いものを敵側に集約していて、そういう構図なので良かった。もしかしたら私が気付いていない暗い悪意が潜んでいるのかもしれないけど、気付いていないのでそれも構わない。

ただ、だからと言って子ども向けのファンタジーかというと違う気もする。子どもに見せたいかわいいファンタジーやアクションなどと、ちょっと子どもには見せづらいホラーやダークみたいなものが混在している。ファンタジーが始まるまでの現実パートも長めだ。この映画のターゲット層ってどこなんだろう?とちょっと不思議に感じる。

でもまあ、特殊能力を持った子どもたちのユーモラスな日常から悪い敵と戦う姿までたくさん描かれていたり、平凡な主人公の成長とか、ピンチで矜持を見せるカッコいい大人とか、割と映画に求めているのはこういうシーンなんだというものが多く見られる。それに、部分部分のシーンが良いだけでなく、全体的なストーリーもちょっとわかりにくい部分はあるけどちゃんとしている。

やっぱり大人向けの映画な気がしてきた。

『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』 2.5

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